会社経営者の方の財産分与で問題になることはどういったことでしょうか?➀?
会社の資産でも財産分与の対象になるのでしょうか?
会社経営をされている方が離婚問題になった場合、問題になることの一つとして以前養育費のことを取り上げましたが、財産分与についても複雑になりうることから、問題になることが多いです。
会社経営者の方の場合、個人事業主として事業をしているか、法人で事業をしているかによっても違いが出て来ますが、今回は法人で事業をしているのを前提にして考えます。この場合は、資産の名義が法人になっているかそうでないかによってまず整理して考える必要があります。
割とみられるのが資産の名義を度外視してとにかく会社経営者側の資産といえるもの=財産分与の対象になるかのような主張ですが、この点は対象になる資産が法人の事業に関するものか・名義がどうなっているか、購入する際の原資がどこから出ているかといった観点からよく整理していくことになります。
また、法人の形態をとっているものの、実質的には代表者一人だけの会社の場合、対象になっている資産が何かにもよりますが、法人の資産であっても財産分与の対象になりうることもあります。法人の預金と代表者個人の預金が区別されずに管理されているような場合であれば、財産分与の対象になってしまう可能性がありえます。
社長が退職する際に退職金が支給される規定がある場合は?
会社にお勤めの方の場合、あるいは公務員の方は退職金が支給されるときは、退職金が財産分与の対象とされることが多いです。
他方、会社経営者の場合でも代表者を退任すると退職金が支給されるとの規定を定めているケースがあります。実際に退任のときに退職金相当額が支給できるよう、法人が契約者となり、代表者が被保険者という形で保険を掛けていることが多いと思われます。
株主総会や取締役会の承認がないと支給しないという定めになっている場合は、実際に承認されるかどうかが株主の構成により異なってくる可能性が出て来ます。代表者が株式の大半を持っているのであれば退職金が支給される確率が高いといえます。他方、代表者がいわゆる雇われ社長で、株式を保有していない、あるいは少数株主の場合は株主総会での承認がほぼ確実にされるといえないため、必ずしも退職金が支給されるとはいえないことになります。
このあたりは個別の規定の内容によってくると思いますので、退職金がどういった場合に支給されると定められているか、退職金の規定がどのように記載されているかよく確認しておくことが必要になります。

