令和8年4月以降離婚調停はどこが変わるのでしょうか?
親権者や監護者の関係は?
令和8年4月から,選択的共同親権や養育費の制度の拡充などを主な内容とする改正法が施行されます。個別の内容は別のコラムで触れております。調停の手続き自体には変更はありません。離婚の際の子どもとのかかわりについて,監護自体に大きく関わる場合には,共同親権と監護の分掌の話が出てくることはありえます。
監護の一部に関わる場合には,きちんと多くの頻度で面会交流を行うのであれば,その境界は微妙になることはありえます。ただ,夫婦間の対立が大きく協力が難しい場合には,共同親権での解決が難しい場合もありえます。話し合いをして解決を求めていく場合には,相手の対応を見るとともに,ご自身でどこまで協力が可能なのかを考えていく必要があります。さすがに,遠方にお互いが住む場合には難しい場合も出てくるでしょうし,相手とお互いに非難を応酬する場合も同じような点が出てきます。
調停の種類や要件で異なる話が出てくるものの,調停の基本的な構造は変わりません。そのため,お互いの意向や話し合いで解決を目指せるのかどうか,先ほどは親権の話を触れましたが,関わり合いの程度・監護を分ける・監護者を指定した場合の影響を見極めていく必要があります。
ちなみに,面会交流については促しの制度は設けられていますが,基本的には変わっていません。4月1日から新しい書式(裁判所のHPにもサンプルはあります)が挙げられますので,それらも使いながら,見通しも立てて動いていく必要があります。基本的な話は変わらず改正点が反映されるという意味合いで理解をしておいた方がいいでしょう。
単独親権かどうかを考える際には,協力を図れるかどうかのほかに必ず単独親権となるのかという問題もあります。大きくこれまでの運用で変わらない部分もありますので,ここも見極めておく必要があるでしょう。裁判所調査官による調査を求めるのか(実際に行うのかどうかは裁判所サイドの判断),調査内容も今回の改正によってはそうは変わらないだろうということも頭に入れておいた方がいいでしょう。
財産分与では?
他のコラムでも触れていますが,財産分与についてもこれまでと大きく変わるわけではありません。考慮要素が明確にされた・1/2で分けるルールが明確化された等の点がありますが,基本は清算を中心に基本は半分ずつ清算をするという点は同じです。
結婚前から持っていた財産や相続や贈与を受けた財産が対象から外れるという話,きちんと清算を考える場合には,お互いに財産の開示を求める等の点もこれまでと同じです。これまでも,提出を求める・裁判所を通じた照会の制度があり,今後もこれらの制度を使うこともできます。また,まずはお互いに開示を求め合うことが前提ということも変わりはありません。
開示命令を求める制度自体も設けられました。相手が持っている財産について何があるのかどうかという点でこの申立てを考える場合も出てくる場面はあります。ただ,全体として大きく変わるわけではないと思います。
評価額が問題になる場合(不動産)には査定で解決を図るのか・固定資産税評価証明書等で解決を図るのか・不動産鑑定(私的に取り寄せるのか・裁判所を通じてにするのか)という問題も同じような話になろうかと思われます。
養育費はどうでしょうか?
離婚調停での養育費に関する話もこれまでとは大きくは変わらないと思われます。標準算定式や算定表を基準にするケースが多いことや修正があれば,その根拠などを示す必要がある点も同じです。
ただし,養育費については離婚後に個別に調停などを行う場合には変更点が想定されます。令和8年4月以降に離婚をする場合には,協議がない場合には法定養育費の支払義務が生じます。この部分の未払いがある場合に,養育費の調停での協議をどう進めるのかはケースによって今までと変わってくる可能性はあります。
この話は離婚調停とはまた異なるので,別のコラムで詳しく触れる予定です。ただ,協議離婚で離婚届のみを出した場合には,何もしないでいると法定養育費を根拠に突然給与等の差押えリスクがある点は注意が必要です。

