よくある相談

暗号資産(仮想通貨)・インターネット銀行,証券の財産分与での問題点は何かあるのでしょうか?

基本的なところは他の財産と変わりません

 暗号資産やインターネット銀行や証券の口座の財産は,紙ベースなどで財産を示すものは普通は考えにくいところではありますが,財産である点は実物で存在するものと同じです。最近は紙の通帳が廃止傾向にあり,自宅に紙の通帳があるとは限らなくなっていますが,財産であることは今まで財産分与が問題となる他の財産と同じになります。多くのケースでは,別居時に存在した財産をベースに,その評価額が問題になることにはなります。

 時価が変動するものについては,どの時点の評価額をもって評価をするのかという問題はありますが,これは時価変動のある他の財産でも同じ話ではあります。購入原資が,財産分与の対象となる結婚後に築いたお金をベースにするのか・特有財産という親などが贈与したお金なのかどうかについても同じです。

 財産が存在するかどうかの確認の問題の話が出てくる点や,家庭裁判所の手続きで,開示がない場合に照会を求めるのかどうか等も同じではあります。ありとあらゆる金融機関の照会を求めるような,網羅的な探索を行うことができないのも同じです。

相手が開示をしない場合の対応は?

 紙ベースでの確認ができない点に特徴がありますので,パソコンやスマートフォン上に,ウォレットなど暗号資産その他を持っている可能性があるかどうかすら確認もとれないケースでは,暗号資産があると言って否定されれば,それ以上話が進まないことがありえます。インターネット銀行や証券についても,電子メールや郵便物・その他お金の動きを示す情報がない場合には,いくら主張しても,出てこない可能性があります。これは,相手から主張を受ける場合でも同じです。要は,形跡がないものについて,主張をしても意味が薄いという意味合いです。

 弁護士に依頼して,弁護士会を通じての照会を求める・家庭裁判所の手続きにおける調査嘱託を申し立てるという点も,他の財産とは変わりません。ただ,秘密保持その他の理由から,前者の場合には回答がなされない場合もありえます。後者については,網羅的探索はできないのは先ほどのとおりです。認めるかどうかは裁判官の判断によりますから,その必要性を示す事情を出さないといけません。相手が主張する場合についても同じです。お金の動きを示すものや,メールの記録や郵便物などが必要となる点はここでも変わりはないように思われます。

 令和8年春までに施行される改正法では,情報開示命令が設けられ,そこには他の財産と同じように,暗号資産なども開示命令の対象にはなります。開示が正当な理由なくない場合のペナルティなども同様です。ただ,こうした命令が出されるだけの事情がないといけません。制度が設けられても,命令が出されないと意味がないのは先ほどの調査嘱託でも同じところです。

 調停や協議の際には,一定の根拠を示して開示を求めることが多いように思われます。そこで提出するかどうか(きちんと出されているかどうか)は必ずしも分かりません。きっとあるはずだという話だけでは難しい(妻に財産の管理を任せていてわからないケース)ところがあります。一定の動きの根拠があるかどうかも確認をして対応を決める必要があります。

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