親がそれぞれ子どもごとに親権者となる場合に,養育費はどう考えるのでしょうか?
合意があれば、合意により決まるのが原則です。
令和8年の4月以降,「法定養育費」の制度がスタートし,合意がなくとも最低限の養育費の請求の話が出てきます。また,離婚後共同親権の制度が設けられるので,場合によっては離婚後も共同親権となるケースが出てきます。ただ,単独親権とする場合もありえますし,子どもが2人以上いる場合に,ケースによっては子どもごとに親権者を定めることも出てくるでしょう。特に,協議離婚であれば,様々な背景事情を反映して,そのようになることは考えられます。
その場合の養育費をどうするかは一つの問題です。離婚時までの夫婦がそれぞれ収入があり,子どもが二人いる場合を考えてみます。この場合に,お互いがあるから,それぞれ面倒を見る子どもの費用を負担し,お互いに養育費は請求しないという話をすることは可能です。もちろん,収入差や学費がかかる子どもがいるなどの場合に,それを反映して負担を決めるということもありえます。
あくまでも,話し合いによる場合には,自由に取り決めをすることは可能です。ただ,柔軟に対応できるようにするのが話し合いでの合意ですが,きちんと信頼関係が保てるのかどうか・不自然に不利になっていないのかを事前に確認しておく必要があるでしょう。
標準算定方式による場合はどう考えるのでしょうか?
インターネットで出てくる標準算定方式に基づく表の考え方は,親の収入に応じて生活費負担を取り決めることを原則として考えています。表による場合は,「権利者」とされる子どもをみている方が,子どもが二人の場合には全員の監護をしていることを前提としています。そのため,離婚時に,子どもの親権者・監護をしている方が各自となる場合には,そのままでは当てはまらないこととなります。なお,私立学校の学費など特別費用については反映されていない部分があるので,別に分担を考える必要が出てくるところが出てきます。
標準算定方式においては,基本的な考え方が記載されています。そこでは,子どもが15歳以上かどうかで生活費指数が異なって規定されています。親それぞれも,異なります。簡単に言えば,親双方の収入をもって,親双方を含めた生活費指数の合計で負担すべき生活費総額を決めていき,収入に応じて負担配分をするという考え方になります。そのため,それぞれの親が子ども(例えば先ほどのケースでは,2人のうち1人ずつ監護)をしているケースを考えてみます。この場合には,配分をするに際して,各自監護していることを前提に計算をしていくことになります。子どもの年齢や私立学校の費用など特別費用が掛かるのかどうか・親それぞれの収入によって負担状況が異なることになります。
ややイレギュラーになりますので,実際にどうした見通しになるのかどうかは専門家にも相談をして考えてみるのも一つの方法です。先ほど触れましたように,協議で取り決める際には特に,この考え方に依拠しないといけないわけではありません。ただ,決まらない場合や何かしらの基準らしきものを軸に話をしたいのであれば,標準算定方式をベースに考えることもありえます。また,実際にかかる費用を軸に考えるということもありえます。
ただ,家庭裁判所での調停などの手続きの場合には,標準算定方式が強く考慮される傾向になるように思われます。調停での解決を考える場合などには,この考え方を頭に入れておく必要が出てきます。

