別居後の預金からの引き出し・支出は財産分与で考慮されますか?
子どもの教育費などに充てるため支出した場合は?
財産分与を考えるにあたっては、預金口座は別居時点の残高を基準とするのが一般的です。
ただ、別居後もまとまった支出がされており、これを婚姻費用の方で考慮するのか、財産分与で考慮するのが良いのか、迷うケースがあります。
基本的には婚姻費用の一部といえるものについては、婚姻費用の支払の方で考慮すべきであり、財産分与で別途考慮しないのが一般的です。
もっとも、子どもの大学等入学の時期と重なっており、入学金や授業料等、婚姻費用で考慮されている金額を上回っている場合や、海外留学などまとまって支払いが必要なものについては、婚姻費用と別に都度負担をどうするか検討する必要があるものとして、考慮する必要があるでしょう。
まとまった支払いについては、月々の婚姻費用で賄うのが難しい場合も多いと思われますので、こういったものについては預貯金から充てるのが想定されているといえれば、基準日以後のものについては折半での負担で考え財産分与で考慮した裁判例もあります。
クレジットカードや光熱費・携帯電話代などの支払に充てた場合は?
同居しているときに妻に買い物などに使うため自分名義のクレジットカード(ないし家族カード)を渡し、別居後も妻が使用しているときがあります。また光熱費についても自分が自宅を出ている場合には、妻や子が使っているものを夫が別居後も支払い続けていることがあります。
これらについて財産分与で考慮してほしいという主張をすることもあります。もっとも、婚姻費用については基本的には妻が別居後に支払いを求めたときから支払義務があるとされていること、クレジットカードや光熱費の支払は数か月遅れで請求が来るため、同居のときのものも含まれていることが多いため、財産分与では基本的に清算しないことが一般的です(婚姻費用でも同居時の支出として考慮されないことが多いと思われます)。
これ以外にも別居後の家賃(妻や子が居住している)の負担についても問題になることがありますが、家賃の金額が比較的高く、まとまっての清算が難しいケースは両者合意の上、財産分与で考えることもあります。

