協議離婚時に取り決めた養育費の増額や期間延長の変更が認められる場合(②)
取り決めた終わりの時期の延長が求められる場合とは?
協議離婚等で養育費の取り決めをした場合,支払いは取り決めをした終わりの時期(例えば,令和9年3月までとすれば,令和9年3月が最後の支払い時期となります)で支払いは終わるはずです。何らの合意などもなく,当然に支払い終わりの時期が動くことはありません。そうでないと,支払時期をとり決めた意味がなくなるためです。こちらは,家庭裁判所での調停や審判で決まった場合でも同じです。
高校の卒業まで(18歳になった後最初に到来する3月まで)とした場合に,当然に20歳になるわけではありませんが,子どもの進学によって大学に入学するのであれば(22歳の最初に到来する3月まで),扶養を必要とするだけの事情が出てきたことになります。この場合には,事情が変わったということで養育費の変更(支払期間の延長)を求められることがありえます。この場合に,話がつかなければ,家庭裁判所へ調停を申し立てられたり,既に調停となっている場合には裁判官の判断(審判)に至ることがありえます。扶養が必要となっているということであれば,その時点でのお互いの収入などに基づいての養育費の取り決めとなる可能性が高くなります。
既に大学進学をしている場合には,自宅から通っているのか・下宿しているのか等も考慮されることはありえます。子どもが奨学金を得ていることやアルバイトをしているという話については,給付型の奨学金や継続的なアルバイトをしている場合はともかく,考慮をされないこともありうる点には注意が必要です。ご自身が再婚をしていて新たに子供が生まれている場合などには,この事実も考慮されますが,話はやや複雑になることもありえます。
大学院進学という場合には,もはや養育費の請求ではなく子ども自身が,扶養を必要とするだけの状況にあれば,自ら扶養料の請求をすべきという話になってくる可能性が高くなります。いずれにしても,一度取り決めたから,後は全く延長や増額の請求はないという話に必ずしもならないことには注意が必要です。
長く音信不審で連絡が来た場合にはどうすればいいのでしょうか?
子供との間で離婚後も継続的に交流をしている場合には,進学などの事情も分からないということは考えにくく,延長などの協議を自発的にしていることはそれなりにあるのではないかと思われます。これに対して,長く音信不通になっていて突然として進学などを理由として延長などを求められた場合には,どう対応すればいいのか・そもそも支払いたくないということも頭によぎるかもしれません。
かといって全く反応をせず放っておくと,元妻側から家庭裁判所での調停などを申し立てられる可能性があります。もちろん,妻側が再婚をして養子縁組を子供と再婚相手との間でしているケースでは,そもそも扶養義務を負うのか等の問題はありますが,ご自身が特に再婚もせず大きく離婚時と比べて収入が増えている場合には,増額も含めて問題となる可能性もありえます。そのため,放っておくことは得策ではないでしょう。期間延長を求める理由などを確認して,対応を決めたほうがいいと思います。進学などをしたのかどうか・相手の収入状況や実際にかかりそうな費用はどうか・ご自身のその後の状況から負担できそうな範囲を踏まえて対応を考えていく必要があります。判断に困った際などには弁護士に相談をしてみて,方向を見出すなどの対応もありうる選択肢の一つになります。
判断にあたっては以前取り決めをした際の収入状況や前提事情などとの比較も重要になってきます。こちらについても,資料などが残っていないケースもありえますが,整理はしておいた方がいいでしょう。

