不貞行為がないと言えれば,離婚を避けることはできるのでしょうか?
裁判離婚における離婚原因
法律上の離婚理由というものは,離婚裁判での離婚判決を認める場合の理由を指します。配偶者から,不貞をしたのではないかということで離婚を求められる・慰謝料を請求される場合はありえます。この場合に両方避けたいと思った場合に,不貞行為があると言えなければ,両方とも避けられるのかという話を今回触れます。
このうち,後者については性交類似行為があった場合に慰謝料の支払い義務が出てくる場合があるという話を他のコラムで触れています。実際にそうしたこともないといえるのであれば,不貞を理由とした慰謝料についてはそう簡単には生じません。
これに対し,前者がどうかという点は次の項目で触れます。離婚を争った場合で,配偶者と別居をした場合(配偶者が出て行くなどのケース)には,不貞の有無という意味での離婚裁判での離婚原因があるかどうかとは別に,別居後の状況によっては,週f区が可能なのかどうかという点が別途問題になっていきます。あくまでも,法律上の離婚原因は複数存在すること(令和6年の民法改正で一つ削られることとなりました)・一般的な原因(簡単に言えば,修復が困難であると評価されること)が含まれている点には注意が必要になります。そして,一般的な原因はあくまでも様々な事情を総合考慮したうえで,離婚裁判での裁判官の判断によることになることになります。
もちろん,ある程度は事実関係や証拠関係からどのような事実認定を受けそうなのかを想定することは可能です。見通しについては,こちらも考慮に入れていくことになろうかと思います。
他の事情や不貞疑惑による影響等によって異なります
結論から言えば,不貞行為疑惑によって,大きな夫婦の亀裂が入った等の事情があれば,不貞行為がなくても離婚裁判で離婚に至る可能性はあります。その原因は何かという点ですが,長い別居期間へと至ってしまったという場合や大喧嘩などの存在などの事実関係によります。そのため,不貞行為の疑惑をかけられた際の出来事やその後の出来事が何であったのか,夫婦の間でやり取りなどが亡くなるような状況であったのかが重要となっていきます。
このほか,その元となった疑惑を持たれた疑惑の内容(大きなもめごとや夫婦の関係の冷却化を基礎づけるなど)によっては,破綻の帳票の一つになる可能性もありえます。不自然に外であっていた・不貞をうかがわせるようなら理とりの内容や頻度など,によってはそれだけ不仲の原因を基礎づける事実関係やその証拠となる可能性があります。全く証拠がなく,事実関係に争いがある場合には,この点に関しては離婚の原因を基礎づけるものは弱くなっていきます。
これまでのやり取りやや時系列・根拠となるものが何があるのか等は整理しておく必要があるでしょう。
あくまでこれは離婚裁判になった際の見通しなどを考える話ですが,別居の場合に同居の再開が見通せず,婚姻費用の支払いが続くことをどう考えるかは別問題です。