よくある相談

面会交流の実施内容等について対立がある中で,子どもの意向はどこまで考慮されるのでしょうか?

年齢によって考慮に違いがあるのでしょうか?

 面会交流の実施をするかどうか・するとしても,どのような内容にするかどうかについて,対立が生じることは特に弁護士へのご相談を考える場合は出てくることが多いかもしれません。

 そうした場合に,子どもの意向として会いたくないという話が出ている場合や,その他子どもの意向がどうなのかが問題になることがあります。現在子どもを監護している親の心情に沿うことは十分ありえますし,子どもの年齢によって,親からの影響その他の影響もありえます。

 面会交流は一般に,抽象的ではありますが「子の利益」を最優先すべきとされていて,特に家庭裁判所での手続きでは,様々な事実関係から考えていくこととされています。その際には家庭裁判所調査官による調査がなされるケースもあります。様々な事実関係には,生活状況や親同士の対立の度合いなど様々な事実関係が考慮対象になります。子どもの今の生活状況やそれを取り巻く状況といった,監護していない方の親で把握していないことも含まれるので,そこは頭に入れておいた方がいいように思います。

 子どもの意向とされるものも,その年齢によっては特に監護している親や環境面の影響を強く受ける可能性があり,どこまで真意なのかが問題になるケースもありえます。10歳以上かどうかが一つの年齢での基準とされることもありますが,あくまでも発達状況等個別の子どもやケースによって左右される事情も多いので,年齢だけで話が決まるわけでもない点は頭に入れておく必要があります。

段階的に交流時間などを拡大する場合もあるのでしょうか?

 面会交流に関する取り決めをする場合には,大雑把に決めておいて事後に細かく取り決めを毎回して行く場合もありえます。時間帯などの取り決めをしておく場合もあります。後者の場合には取り決め時に実施時間の長さや実施時間帯を取り決めてお行き,その後実施状況を見ながらお互いに話をして決めなおしていくという対応もありえます。

 仮に家庭裁判所での調停や審判で決まった内容であっても,その後その内容での実施でなければいけないわけでは必ずしもなく(下回る場合には履行勧告などを求めることはありえます),特にお互いに異論がなければ延ばすこともありえます。

 当初の取り決めの際に,事後の段階的な時間拡大もありえますが,比較的最近の裁判例として,名古屋高裁令和3年5月28日決定(家庭の法と裁判56号42頁)があります。このケースでは1審の判断を2審で一部変更をしたものですが,家庭裁判所調査官による聞き取り等調査実施時に8歳の子どもが発言した内容だけで判断するだけでなく,諸般の事情も考慮して段階的な交流時間の延長を行う(時期によって時間の長さを定める)形に判断を変更しています。

 
 このケースでは親子関係が良好と思われるケース(1審の判断でもそれなりの交流時間を定めているようです)での判断です。親子関係に問題があるとされる場合で実施状況を見ながら時間拡大などを図っていくという決め方もありえます。関係が悪い・対立が大きなケースでは,当初の交流が方法や頻度面で少ないこともありえますが,実施状況などによっては再度の調停などの手続きに至ることもあります。

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