よくある相談

別居後,住宅ローンその他の支払いが厳しくなった場合にどう対応していけばよいのでしょうか?

婚姻費用あるいは養育費等の支払いの減額は可能でしょうか?

 別居によって家を出た場合など生活コストが増える一方で,負債の支払いが難しくなることはありえます。たとえば,婚姻費用や新たな家の家賃などがかかる一方で,それまでの車や家のローンの支払いが続く場合があります。支払いが結構いっぱいいっぱいであった場合には,急速に支払いが難しくなる可能性があります。

 生活のための買い物のクレジットなどは実質生活費の負担であるということで,婚姻費用や養育費の算定に多少考慮される可能性はあります。ただ,基本は負債の支払いは婚姻費用や養育費の支払いにおいて,特に裁判所での手続きでの判断では考慮されません。もちろん,支払いが難しくなることで家の確保が,相手にとって難しくなる場合(例えば,ご自身が住宅ローンを支払い,妻が自宅に住み続けているケース)には,話し合いの中で金額調整に相手が応じることはありえます。

 そのため,問題状況によっては交渉での調整余地はあるものの,基本的には債務整理などを優先すべきということで,金額の減額要素にはならないことを頭に入れておいた方がいいでしょう。
 ちなみに,養育費の取り決めがなくても法令で定めた範囲での養育費の支払義務を設ける法改正が令和6年に定められましたが(令和7年8月現在は未施行),支払側の支払い能力などの状況によっては支払い猶予や免除等の対応を養育費分担調停で家庭裁判所が定められるようになりました。

債務整理の可能性は?

 住宅ローン残高や自動車ローンなどの残高が大きい場合には,資産があっても財産分与の問題は生じません。財産のみ一方的に財産分与で渡しておくという話は,後で債権者側の対応によっては分与の効力が否定されるリスクがあります。

 債務の方が多く,毎月の支払いが難しい場合には,先ほども触れましたように,債務の整理,特に自己破産手続を考えるべき場合があります。自己破産手続というと,負債の支払義務がなくなるというイメージをお持ちの方がいるかと存じます。借金の理由などによって「免責不許可事由」と呼ばれる負債の支払義務が無くならないと判断される可能性のある理由(浪費などが原因の場合・過去7年以内に自己破産にかかわる免責許可決定を得ていた場合など)がなければ,免責の許可といって,支払義務はなくなるのが基本です。

 ただし,破産手続きは財産の清算(一部法令で認められた範囲内の財産のみ残すことができます)を伴います。そのため,家を守りたい場合などには守ることができない可能性が高くなります。破産手続きに関連して家が売却清算されることは十分あります。そのため,支払いの目途が出てくるのか・財産清算でなくなる可能性とその財産の重要性も踏まえて,どういった手段をとるか決める必要があります。他のコラムでも触れていますが,取り決めによって決まった養育費や婚姻費用の支払義務には自己破産手続は影響は与えません(ただし,差押え等の強制執行の手続き自体には影響はあります)。そのため,養育費等の支払いを逃れたいから,自己破産ということはできません。しかし,ローンを含めて支払いが生活への強い圧迫原因となる場合には,自己破産の申し立てを考えるのも事情によっては有力な選択肢となる可能性はあります。

 状況をよく見て判断していくべきでしょう。

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