財産分与の場面で,特有財産の主張をする際の注意点②
主張をする場合の注意点
自宅購入の際の頭金に関する話など,財産分与において分与部分から外れる箇所,そもそも独身時代に形成された財産等,言い分は異なる点があるにしても,特有財産の主張をする機会は財産分与の主張では出てくる可能性があります。
いずれも,そのお金がどこから出てきたのかを資料などを元にはっきりと示す必要があります。住宅の購入の場合には,頭金に当たるお金をどのようにもらったのか・支払いはどう当てたのか等,預金の履歴などから示す必要があります。預金通帳や履歴から追いかけることが多いように思いますが,10年を経過している場合など既に履歴が出てこないこともあります。預金通帳も存在しない場合には,この立証にハードルが出てくる場面があります。
特有財産(財産分与での清算の対象に一部でもならない部分があるという意味合い)は,その主張をする側が示す必要があります。単にあいまいな言い分を出している場合には,考慮の対象にならない・調停の場面で相手が譲歩をしてこない場合もありえます。
資料などで厳密に示すことが出来ない場合でも,公平の観点から調整をする可能性自体はあります。ただし,きちんとお金の動きなどを示すことが出来た場合とは異なり,確実ではない等の問題が出てくることがありえます。
ちなみに,片方の親から受けた援助部分(先ほどの住宅購入の際の頭金など)については夫婦双方に対する贈与であるという反論をされる可能性があります。これは,特別に一方のみに対する贈与ではないから,精算の対象になる(特別な考慮は不要)という趣旨のことが多いように思われます。こちらについても,当時の経緯や人的な関係・お金の入金先口座などがポイントになってきます。結局はどういう趣旨のものととらえることが出来るのかという話になります。こういった点を整理して,対応をしていく必要があります。
主張を受けた場合の注意点
相手側から特有財産の主張を受けた場合の対応についての注意点も,基本は先ほど述べた主張をする場合の話が当てはまります。特有財産と言えるだけのお金の動きなどの裏付けがあるのかどうかなどです。例えば,妻側から,一部預金口座(特に子供名義の口座)について,お年玉など子供に対する贈与だから清算の対象ではないという言い分が考えられます。
こちらについても,婚姻費用の支払いがいつまでも続く可能性のある点やその金額その他の事情によっては無理に争えばいいわけでもありません。ただ,金額が大きいケース等では先ほど述べた点も踏まえて対応を考えていくこともありえます。大雑把な解決金での解決を図り細かい点を考えないというケースでは,特有財産がどこまでなのかということは立ち入らないこともありえます。
同じことは,特有財産の主張をどこまで行うのかを考える場合にも当てはまります。頭金を出してもらったケースでは,その金額が当然にそのまま考慮されるとは限りませんので,金額や自宅購入金額での占める割合などを踏まえて対応を決めることになるでしょう。

