離婚に関する慰謝料請求は別居後の事情についても含められるのでしょうか?
認められることもあります
離婚に伴う慰謝料(以下、「離婚慰謝料」といいます。)が、離婚を求めるにあたって請求されることがあります。
離婚慰謝料でよく請求されるのはいわゆる不倫についての慰謝料であったり、暴力を受けたということというものですが、ここ最近ですと精神的暴言(いわゆるモラルハラスメント)や経済的に締め付けられていたなどといったものも見られます。
離婚慰謝料には、不倫や暴力などそもそもそれ自体が不法行為にあたるもの(離婚原因慰謝料)と、別居や破綻に至るまでの様々な行為の積み重ねによって離婚に至ってしまったということへの慰謝料(離婚自体慰謝料)に大きく分けることができます。
実際離婚裁判などで主張されている慰謝料は、不倫や暴力の一つひとつの出来事についてというよりも、別居等に至るまでの色々な事情が積み重なって離婚に至った、それに対してまとめて1個の不法行為ということで請求をしているケースが多い印象です。
前述のように、離婚慰謝料は別居等に至るまでの有責といえる事情をもとにしたものであるため、別居後の事情については含まれないとも思われます。
しかし,別居後であっても名誉毀損にあたるようなことを一方がした、生活を妨害するようなことをしたといった場合でも離婚慰謝料の中に含めて認められているものもあります。それでは別居後どこまで含まれるかというところにはなりますが、明確な基準はないものの、別居から年単位で経過してからの場合は離婚に伴うものとは別の事情によるものとして、離婚慰謝料に含めるのは難しいのではないかと考えます。そうすると、離婚裁判とは別に損害賠償の請求を行う必要が出てくるでしょう。
認められるには裏付け証拠が必要になります
このように別居後の事情でも一定の場合には離婚慰謝料の中に含めて考えられるにしても、相手方がその事情について認めるというのでない限り、裏付けの証拠が必要になるのは他の離婚慰謝料の事情の場合と変わりません。
名誉毀損の場合には、不特定多数の人に対して社会的な評価を下げることをしたといえる必要がありますので、それがわかるSNSでの公開内容、ビラや手紙等によるものであればそれら記載があるものといったものが証拠となってきます。生活妨害の場合は動画や、自宅を訪問してのものであればインターフォン越しで撮影したもの、警察への相談記録といったものがあげられます。
いずれにしても度を超えた違法なものであることが慰謝料を認められるにあたっては必要になってきますので、どの程度の証拠が揃うかにより、離婚の裁判とは別で請求ができるものかよく検討するのが良いでしょう。

