よくある相談

令和6年における民法改正で離婚時の親権はどうなるのでしょうか?その➂

共同親権となる場合にハードルが出てくる場面とは?

 令和8年4月から離婚後に共同親権となる場合(選択的共同親権)の制度がスタートします。協議離婚ができる場合や離婚調停であっても対立が大きくない場合は問題が出てきませんが,特に調停になる場合には対立が大きな場合もありえます。その場合には裁判所が判断する際の法令の規定は頭に入れておく必要があります。

 制度上は,DVや虐待がある場合などについての必ず単独親権となる場合と,諸般の事情を考慮して単独親権にするかどうかを決める場合が定められています。そこでは,親同士の関係や親子間の関係等様々な事情が考慮されるとしています。共同親権については,親同士で子どものために離婚後であっても協力できることが想定されています。離婚時に必ずしも共同親権にする必要はありませんが,仮に共同親権を考える場合には,考慮要素は頭に入れておく必要があります。

 その中で,夫婦の間で協力関係を築けるような状況なのかどうかが重要なポイントです。特に,妻側で通常は子どもが過ごすことを前提に,監護権を行使する事項を分ける場合には,協力がないと難しいことになります。そのため,別居に至るまでにすでに大きな対立が存在する場合,別居後にお気持ちはともかくとして対立をあおる言動をした場合には,マイナスになってしまうこともありえます。離婚調停での話し合いの内容やそこでの対立の状況も考慮要素になりえます。ちなみに,調停では具体的なやり取りによります。ちなみに,調停では記録がとられていないことが多いので,双方が記録を取る形になります。録音や撮影も禁止されているので,記録は取っておく必要がありますが,双方で食い違うこともありえます。
 また,協力が可能なのかどうかは生活実態や住む場所があまりに遠い等の場合には,難しいと考えられることもありえます。

 その他,これまでの子どもとの関係性や監護へのかかわりなどの状況(これまでも親権・監護権の問題で考慮されてきた事情)は今後とも重要な考慮事項になることが想定されます。

監護の分掌や特定事項の親権行使者指定の意味と注意点

 離婚の際に主たる監護者を決めておくのもありますが,注意点もあります。それは,法定代理権の行使とされる事項など一定の例外を除けば,かなり包括的に監護権を有した側が権限を持つことになります。生活実態やこれまでの関係から見て,それでもいいと考えることもあるとは思いますが,後で思っていたことと違っていたということは避ける必要があります。

 例えば,教育に関わる事項は自分が権限を持つが,他の事項は妻に任せるという事項によって監護権を持つ・時期に応じて監護権を持つ人が変わるという分け方で,監護の分掌(分担をするという意味合いです)があります。話がつかないときには,裁判所の判断によることになりますが,その場合には監護能力があること等は必要です。また,分けることが必要かつ子どもにとって必要な事項なのかということも考慮されます。子どもにとって負担が大きいと考えられるだけの事情がある場合には難しくなることがありえます。

 個別事項ごとに親権行使者を決めておく,決めてもらうということもありえます。決められた事項については,指定された側が決める権限を持ち,それを妨げてはならないという意味合いが出てきます。ただ,その事柄が住む場所の問題など,日常子どもと生活している側の方が適切に決めることができるとされる事項の場合には,子供と一緒に生活をしている側に指定される場合が多くなります。見通しも考えて,どこまで争う必要があるのかを考えておく必要があります。仮に,共同親権を目指すならば,対立を大きくする行動をとることは先ほど述べたようにマイナス方向に考慮される可能性もあります。何を目指すのかを決めてそこへの影響も踏まえて対応をする必要があるでしょう。

メールフォームもしくはお電話で、お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします

早くから弁護士のサポートを得ることで、解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。誠実に対応させていただきます。