不倫・不貞行為をしたということで,弁護士名で慰謝料を支払えという手紙が来ましたが,どうすればいいのでしょうか?

弁護士から来た手紙の意味は?
手紙の種類はその弁護士の方の選択にもよりますが,多くは内容証明郵便と呼ばれる形を選択しているかと思われます。これは,その手紙を出したことと内容等を証拠として残しておくためのものになります。
それ以上は直接的な意味はありませんが,弁護士が証拠に残すことを前提に手紙を送付してきていますから,放置することは訴えられるリスクが出てきます。
放っておくこととご自身の言い分などをいうことは別のことですから,ご言い分があるのであればそのことを相手方の弁護士にいう必要があります。ただし,言って有利になるか・不利になるか等は事前に検討しておいた方がいいでしょう。
どんな場合に慰謝料の支払い義務が生じるのでしょうか?
不倫・不貞行為があったこと・その時点で,相手方の夫婦関係が破たんしていないこと・相手方に配偶者がいて,特に破たんしていないことを知ることができた,という場合になります。
多くは,破たんしていた・結婚していない,破たんしていたと聞いていたという反論が出てきます。そう簡単に逃れられないハードルであるとともに,実際にどう考えていくのかはケースごとの事情(たとえば,不倫の相手方から独身と聞いていたし,積極的にごまかされていた等)があれば話が変わってくる場合もありえます。
不倫・不貞行為は法律的にはどんな場合?
いわゆる肉体関係(性的な関係)があった場合に生じます。特設こうした事柄を立証する証拠はなかなかありません。そのため,様々な証拠からこうした関係が裏付けられるかが大きな問題となります。
こうした関係自体あったかどうかが問題になっている場合に,探偵など調査する機関が調べた証拠だから直ちに大きな意味を持つものばかりではない(内容によりますから,吟味が必要ですし,業者側からその証拠の意味の説明がなされる場合もあるでしょう)点にも注意が必要です。
慰謝料の支払いを免れる場合は?
上で触れたこともありますが一般的には,
・不倫・不貞行為がなかった
・相手に配偶者がいると知りえなかった
が考えられます。
不倫・不貞関係が証明されそうな場合には,他の理由から逃れるのはそう簡単ではない点には注意が必要です。破たんというのも単に過程で言葉が少ないという程度では足りませんし,別居もそれだけでは当然には該当しません。
慰謝料はいくら支払うべきでしょうか?
ケースごとの様々な事情によって異なるところです。事情によって高額になりえますし,低額化もします。不倫・不貞行為だけで相手を離婚に追い込んだ,現在も続いている等の事情があれば高額化の可能性があります。
ただし,これはあくまでも裁判になってかつ判決になった場合の話です。実例では多い話し合い解決(示談交渉等)では,こうした金額も参考にしながら,実際のお金の回収可能性なども含めて話をしていきます。
どう対応するのがいいのでしょう?
まず,放っておくのはかまいませんが,裁判を起こされるリスクはあります。裁判になった場合には制度上受けて立たないといけませんので,ここは注意をしておく必要があります。
かといって,不倫・不貞行為はないなど全く支払う意思がないということを示した場合にも裁判になる可能性はあります。回答内容は相手方から言い分あるいは証拠として出てくる可能性があります。この点を注意しておく必要があります。
話し合い解決を図る場合には,金額面や言い分を出していくことになります。この場合には,今後の話し合いで金額が動くこと・その他様々な点を考慮して,どういった内容で回答するのかを決めていく必要があります。
よくわからない場合には,弁護士に相談してみるのも一つの方法でしょう。
