子供を妻が連れて出ていったのですが,親権の主張はできるのでしょうか?
親権主張の意味
夫婦が離婚する場合には,未成年の子供の親権を決める必要があります。ここで親権を主張する背景には,妻側で子供をきちんと育てられるだろうか等様々な事柄あるものと思われます。
親権の主張は最終的に離婚をした場合に,子供の養育監護を誰がするのを決めることになります。これに対して,仮に離婚の間までに子供の養育監護をするのを誰が行うのかは,監護権の問題であり,子供の引き渡しの請求とともに問題となる可能性があります。
子供を連れて出られた場合にとり得る方法
妻側が子供をつれて家を出た場合に,相手の実家などに行って連れ戻したいなどのお気持ちが起きるかもしれません、しかし,これは法律的な手続きに基づくものではありませんから,後で違法な連れ去りと評価されるリスクがあります。不利益な考慮がなされる可能性があるという話です。また,大きなトラブルにつながりかねません。
こうした場合に,家庭裁判所に,子供の監護者の指定・子供の引き渡しを求める審判・それぞれの緊急処分を求める申し立てをするのが法律で定められた方法の中では有力と考えられます。
こうした手続きの準備をするには急いで・十分に準備をしてくれる弁護士の方を探して相談をした方がいいものと思われます。
ちなみに,相手方からDVがあったとして相手や子供への接近を6か月間禁止する保護命令の申し立てをされる可能性があります。実際にDVがあったかどうかを含めて問題となりうるところですが,こうした申立があった場合にはこの対応も重要になってくるでしょう。
親権の主張で考慮される事柄
様々な要素が考慮され,また,大きく問題になるケースでは家庭裁判所の手続きの中で調査官という方の調査がなされます。その際に
①子供の現状に問題なく監護されているか
②これまでの子供の監護状況と実績
③監護体制(親などの協力の有無)
④監護意欲と能力
⑤違法な連れ去りなどがあったのか
⑥他方親の面会交流を許容できるのか
等考慮される事情は様々あります。また,ケースによって問題となる事情は様々ですから,ご事情ごとに弁護士に相談をして打ち合わせておくのがいいでしょう。