妻と離婚に向けての話が進みません。どうすればいいのでしょうか?

ご本人同士で話が進まない場合の対応方法
離婚の話し合いはあくまでも家族の問題ですから,ご本人同士・親族を交えて話をするという場合が多いかもしれません。もちろん,そうした話し合いで解決をするのであれば,対立もそこまで大きくなく解決するでしょうから,十分な方法といえるでしょう。
ただ,お互いの親族も交えて対立が大きくなってきた場合にはそうもいえなくなる可能性があります。ことに,弁護士事務所等のホームページをご覧の方にはそういった方もいらっしゃることでしょう。
そうした場合の方法としては
①代理人弁護士に依頼して,話し合いをしてもらう(離婚協議を進めてもらう)
②離婚調停を申し立てる
というのが考えられます。離婚調停自体は,代理人弁護士に依頼して・依頼せずに行うことができます。
離婚調停のメリット・デメリット
離婚調停は,ご本人が申し立てた場合には,調停委員という方を間に入れて(基本的には本人同士で話をしません)お互いの言い分を聞いてもらい・話を整理して・話し合い解決を目指すというものとなります。
費用もほぼかからず,第3者を間に入れることができる点が大きなメリットといえます。
ここで重要なのは,あくまでも解決を図る(合意を図る)ことが目的で,どちらの言い分が正しいのかということはあまり問題にはならないという点です。話を聞いてほしいというお気持ちをお持ちの場合であっても,その内容があまりに解決に役立たないようなケースでは,それに応じた扱いになることもあります。
こうしたご自身の味方になってくれない・場合によってはコミュニケーションがうまく取れず,不満が残る可能性があるのがデメリットでしょう。こうした点は離婚調停の場で代理人弁護士を立てることで抑えることはできますが,費用がかかります。
もう一つデメリットとしては時間がかかる可能性があることです。お互いの対立点が大きい場合には時間をかけることはやむをえませんが,そうでもない場合にはせいぜい月に1回しか開かれない離婚調停の場での話は時間がかかり再スタートを切る上などで問題とはなるでしょう。
メリット・デメリットをよく考える必要があります。
弁護士を代理人とすることのメリット・デメリット
弁護士を代理人としてつけることは,協議離婚・離婚調停・離婚裁判全ての場で考えられます。すべてに共通するデメリットは,お金がかかることでしょう。もっとも,そうするだけの大きな対立や争いの程度が高い,どうしていいのかわからない場合には,相談や依頼を躊躇するのはマイナスになりえます。
協議離婚の場におけるメリットは,手早く・専門家の助けを借りて・妻側とは直接話をすることなく,問題解決に至る点でしょう。
離婚調停の場においては,特に対立が大きい場合などにご自身の立場を代弁し,問題などを整理してもらえる・調停外のやり取りを含め専門家に任せられる点がメリットになります。
離婚裁判については,別に離婚裁判がどうなのかも含めて触れたいと思います。
もう一つ問題となるのは,ご自身にあった弁護士選びができるのかという点でしょう。誰がいいのかは一言では何とも言いにくいところがあります。「離婚に強い」というところがいい・取扱件数が多いところがいい・男性,女性の弁護士がいるからなど,選ぶ理由は様々でしょう。
ただ,少なくとも,話をしてみてご自身と感覚が合う方を選ぶのが一番かと思われます。
離婚裁判はどう進むのでしょうか?
離婚裁判は,主には話し合いではなく,お互いの言い分を出して証拠で立証していく,そのことについて法律上の評価を含めて裁判官が判断をしていくことになります。
主な点が話し合いではなく言い分を出して・立証をするという点で協議離婚や離婚調停とは異なります。
お互いの対立が深い場合などで離婚調停では話し合いがつかない場合等に離婚裁判に至ります。この場合には,裁判に関わる訓練を積んだ弁護士に依頼をする方も多いのではないかと思われます。離婚裁判での弁護士の役割はこうした言い分を出して立証をするための活動をすることと見通しを立てる等の活動があります。
どういった解決がいいのかはケースごとの事情によります。場合によっては話し合い解決に至ることもありますから,離婚裁判(だけでなく,離婚調停・協議離婚など弁護士に依頼する場合には)では,代理人弁護士をつけた場合にはその方とのコミュニケーションは重要になります。
