離婚後,子供と面会交流ができないのですが,養育費の支払いを止めることはできないでしょうか?
面会交流と養育費の性格
タイトルのようなお考えは,なぜ子供のために頑張って養育費を支払っているのに成長する姿を見られないのか・権利ばかり言うのはおかしいというお気持ちとして持たれるかもしれません。
しかし,結論として言えば,養育費と面会交流の両者は性格を異にしているものですから,会えないから払わないという関係には立ちません。もっとも,離婚等の調停の場で面会交流ができなければ養育費の支払いを免除するという項目があれば別ですが,そう簡単にいく話ではありません。
これは,養育費は子供に対する扶養をする義務に基づき負うもの・面会交流は子供の成長にとって普段養育していない親と会うことがプラスと考えられるために認められているものと考えられているためです。
養育費の支払いを止めることのリスク
面会交流ができないから支払いをしないという考えを実行に移した場合には二つのリスクに直面する可能性があります。
①公正証書や離婚調停により養育費の取り決めをしている場合には,給料などの差し押さえを受ける可能性があるというリスク
②元妻側の態度を益々硬くさせることにより面会交流の実現が遠くなる可能性があるというリスク
こうしたリスクのうち,①は勤務先などが元妻側に明らかであれば現実化する可能性が高くなるでしょう。②については,もう面会交流ができないからというお考えがあるかもしれませんが,お気持ちの中でそれでも子供と面会交流をしたいという点がおありなのであれば無視はできない点かと思われます。
とかく,相手が対応してくれないのになぜ自分だけがというお気持ちが出てくるところかと思われますが,何を目指すのかを考えたうえでどうすればいいかを判断していく必要があるでしょう。その場の感情面で行動して①や②のリスクが現実化して何にもならないという結果を避ける・ご自身の目標とすることを実現するために動く必要があるように思われます。