よくある相談

他の女性と交際しての離婚請求をする場合のハードルはどの程度のものでしょうか?

妻側が離婚拒否をした場合のハードルは?

 インターネット上の他の情報ソースにも書かれているかと存じますが,一般にハードルは高くなります。簡単に言えば,夫婦関係が修復不能・不貞行為(不倫)があれば,離婚裁判になっても離婚は本来認められるところです。ただし,離婚原因を作り出すことへの責任が圧倒的に低い側が離婚されることで過酷な状況に置かれるなど信義に反する場合には離婚請求を認めないという裁判例が存在しています。

 

 このことから,信義に反しているかどうかが大きなポイントになりますが,裁判例によっては「有責配偶者」からの離婚請求(不貞行為をした側からの離婚請求)というだけで離婚は認めないと判断をしたもの・信義に反しているのかを検討しているもの等様々あります。

ハードルは全てのケースで同じでしょうか?

 先ほど触れた点とも重なりますが,ケースごとの事情によって判断は異なってきます。言い換えれば,ハードルは異なってきます。ただし,原則的に高いハードルがあることが前提ですから,簡単に低くなることはないという点に注意が必要です。特に,妻側が専業主婦で仕事のキャリアがあまりないケースで離婚をしてしまうと生活がたちまちできなくなるケースでは,ハードルは大きくなる可能性があります。

 

 未成熟子(自活できない子供)がいるかどうか・別居期間の長さや同居期間と比べての長さ・相手方配偶者が過酷な状況に置かれるかどうかといった点その他が信義に反するかどうかでは考慮されます。とはいえ,どれか一つクリアしていればいいという話ではなく,総合的に考慮して信義に反するかどうかが問題になります。今回のケースで,幼い子供や様々な事情があって自活できない子供がいる・妻側が専業主婦などの事情で離婚後に生活がままならなくなるといった事情がある場合では,そうでないケースと比べてハードルは相当上がってきます。

 

 参考になるかどうかはともかく,妻側が不貞行為を行い幼い子供を連れて家を出て,離婚裁判を起こした(夫側は反対しているが,収入はかなり多いケース)事案で,3年程度の別居(結婚は9年近く)であっても離婚を認めたものがあります。裁判余の判断が割れたケースでしたが,子供の世話に問題がなく妻側が見る覚悟があった・夫側は収入が多く離婚を認めても過酷ではない・夫が離婚を言い出したこともある点等も考慮して判断をしています。

 

 このように,一概には言えない点はありますが,特に妻が子供を養育費かつ収入面での不安がる場合では,経済的な面の申し出などをしないとハードルが特に上がる可能性が高くなりかねません。

 

 実際には修復を図ってはいなかった・再婚を急ぐ必要性が裏付けとともにある・妻側が子供を育てるに際しても過酷とはならないだけのお金の給付などがある場合には,仮に妻が専業主婦であったとしてもハードルをクリアする余地は出てくるでしょうけれども,こうした点も信義に反したものといえるかといった点の考慮点にはなるでしょう。

対応で考えておくべきことは?

 夫側で今回触れた標題のケースで考えておくべきは,単に別居期間が長くなった点だけではハードルが下がるわけではないという点です。もちろん,期間が経過する中で十分に生活を支え,お金の給付も含め妻側に過酷と言えないだけの事情が出てきたという話になればハードルは下がります(だからといって,当然にクリアをするわけではありません)。

 

 夫側としては,まずは,話し合いで今後の妻側の生活面を成り立たせることの考慮・話がつかない場合に,先ほどハードルを下げる,あるいは考慮されるほかの要素を満たすだけの資料があるかどうかの検討をしていく必要はあるでしょう。そのうえで提案や話を進めることになるでしょう。あくまでも,裁判所の判断に至る場合には,様々な事情の考慮であるため,画一的な基準があるわけではないということ・ハードルは原則は高いということを考えたうえで,どういった見通しがあるのかを考えていく必要があるでしょう。そうした際に弁護士に相談をするということも手段の一つとは言えるかもしれません。

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