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よくある相談

子の引き渡しが命じられた後に,引き渡しの強制が認められなくなることはあるのでしょうか?

子の引き渡しが命じられた場合には,引き渡しの義務が生じます

 離婚前には夫婦ともに親権者であり,親権者の間の子供の引き取りや面倒を誰が見るかという問題は,家庭裁判所の手続きによるのが原則です。話がつきそうにない場合には裁判所の判断がなされます。緊急の必要性ありということで「審判前の保全処分」の申し立てもするケースが多くはなるでしょうが,実際にそうした必要性(子供の連れ去りの違法性がある場合も含めるとする裁判例もあります)を裁判所が認めた場合には保全処分という判断が出されることがあります。

 保全処分はあくまでも仮の判断(最終的には審判の形で判断が出されます)ではありますが,仮に引き渡す必要が出てきます。これは妻側でも夫側でも同じです。保全処分に基づく引き渡しの強制には,期間制限がありますので注意が必要です。引き渡しに応じない場合や子供が嫌がるなどして実現できないケースでは,人身保護請求というよりシビアな手続きを考えることになります。

 

 通常は人身保護請求で引き渡しが実現されることに最終的にはなります。言い換えると,家庭裁判所の判断で引き渡しを命じる判断が出て,かつ直接引き渡すよ命じる内容の実現は引き渡しに拒否的(担当者の説得などに応じない)・子の拒否的な反応が強い場合には実現に限界があります。あくまでもこのコラム執筆時点での制度を前提にしています。

例外となる場合(平成31年4月26日最高裁判断のケース)

 ただし,例外的な場合があることがごく最近(平成31年4月)に出た裁判所の判断で示されています。あくまでも判断の文章からという話になりますが,このケースでは妻側から夫側に子供の引き渡しの請求がなされ,それを認める判断が出されたという話です。その後の強制手続き(直接引き渡す手続き)では特に当時9歳の子供が拒否を示しうまくいかず,その後に人身保護請求の申し立てがなされています。

 

 子が拒否的な態度を示している場合には,引き渡し義務を負う親がはたらきかけているのではないかという話が出るため,その点も含めて審理がなされ,そうした事情がなく強い拒否の意思があるから引き渡しを命じるべき「拘束」には当たらないということで,人身保護請求での請求を認めない判断をしています。

 

 ただし,人身保護請求では「違法な拘束」があるかどうかで「拘束」には当たらなくても,家庭裁判所の判断によって引き渡しの義務が生じていることから,引き渡しが実現できないことについてペナルテイを課す(一種の罰金的な性格のもの)の申し立てがなされ,それを認めるかどうかが争われました。制度上,引き渡しが命じられていますので,そうした義務がなくなるケースなのかどうかは引き渡しの手続きを実行する裁判所(引き渡しの実行自体には別途裁判所に申し立てる必要があります)では原則判断しないという性格もあり,問題が大きくなってきます。

 

 結論として,子供の引き渡し拒否の意向が強く(親がはたらきかけていないことが前提),引き渡そうとしてもその実現が子供にとって悪影響を与えるようなケースで,例外的に引き渡しの実行手続きが認められないとの判断を示しています。しかも,こうした判断は引き渡しの実行手続きを求められた裁判所が行いますが,あくまでも先行する手続きの中で明白になっている場合とされていますから,実際に認められないケースはまれになってくるものと思われます。

 そもそも,引き渡しを親が強く拒む場合には該当しない可能性もありますし,子供の年齢や引き渡しを行おうとした際の子供の状況なども大きく関係をしてくるものと考えられます。そのため,こうした判断がそう簡単に一般化できるものではない点には注意が必要でしょう。

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