よくある相談

家を出た妻との同居を希望していますが,同居の調停とはどのようなものでしょうか?

家を出たことが直ちにすぐの離婚請求になるとは限りません

 妻側がご自身との生活を希望しないということで(原因は様々考えられます),突然家を出たということがあれば,相当動揺するのが通常と思われます。そうした際に,妻側の真意(今後どうしたいのか等)は当然気になるところです。

 

 この場合,妻側として①とにかく早く離婚をしたい②条件が整えば離婚をしたい③しばらくは現状の別居生活を続け,そのうち離婚をする,といったところが意向として考えられます。もちろん,このほかに④しばらくは別居を続け,今後のことはそのうえで考えたい,という場合も十分ありえます。

 

 こうした場合に,③と④の場合は当然として①と②の場合にも生活費の支払い請求(婚姻費用の支払い請求,調停をいきなり申し立てる場合も考えられます)をしてくることは想定されます。①と②の場合には,離婚の申し入れ(ご本人か弁護士を代理人しての申し入れの場合もあれば,弁護士に依頼するかはともかくとして家庭裁判所に離婚調停の申し立てをする場合も考えられます。)

 ③と④の場合には,離婚の申し入れをしてこない可能性が高いですので,どういう意向なのか・どうしたらいいのかという点は迷うところでしょう。いずれにしても,家を出て別居がイコール離婚請求をすぐすることにはならないところがあります。もちろん,実際のご自身のケースがどういった場合なのかはご自身の事情によって変わってきます。

同居を求める調停とは?

 仮に,ご自身が夫婦関係の修復を目指したいのであれば,そのための話し合い(ただし,離婚の意思を妻が強く持ち,具体的に請求している場合にはうまくいかないリスクも相当程度はあります)を求めることはできます。

 また,夫婦には法律上同居義務があり,同居を求めるという場合に,家庭裁判所での話し合いの手続き(同居を求める調停)を申し立てることもできます。法律上は,同居義務があって拒むのは許容されるのは「正当な理由」がある場合とされています。話し合いがつかない場合には,家庭裁判所裁判官の判断(審判)が下されます。

 

 ただし,先ほど挙げた①や②ノケースでは妻側が修復や同居には応じない可能性が極めて高い(修復を求めるのであれば,相手の意向の強さも考えつつ,具体的な見通しを立てられるのか等考える必要があります)点には注意が必要でしょう。

 また,実は③と④の場合であっても,当面は別居を妻側が考えていることが想定されますから,離婚の話はなくても同居には応じない(修復についてはあいまいになる可能性が想定されます)可能性がやはり高くなるものと思われます。

妻側が同居を拒んだ場合に,どのように話が進んでいくのでしょうか?

 話し合いの際には,同居を拒む原因の見極めや具体的にどのように取り除けるのかを,同居を求める側としては考えていく必要があります。しかし,実際に原因が何か・妻側の同居をしたくない意向の強さの問題もあります。

 

 話し合いがつかない場合には,同居を命じるか・請求を認めないかの判断が下されます。判断自体は裁判所による「正当理由」の判断になりますが,ここでいくつかの判断例を触れておきます。

 妻側は離婚したくないけれども,同居もしたくないという場合(先ほどの③④の場合)がありえます。判断の中には,強い別居意思があり強制ではなく実現するべき同居の実現が難しいkらという理由で同居を認めなかったものもあります。他方で,別居期間の長さや別居に至った事情,同居を求める側の意向も踏まえて,同居の請求を認めたものもあります。

 少なくとも,別居に至った事情やこれまでの事実の経過など様々な事情が考慮されることになります。仮に,同居を認められたとしても,妻側を強制的に連れてくるということはできませんので注意が必要です。

 

 もちろん,こうした同居を命じるかどうかの判断に至る前に,しばらく様子を見るという意味で別居状態を継続するという合意をするケースもあります。実際にどのように対応していくのがいいのかは話し合いの状況やご自身の納得感,その他様々な事柄を踏まえて判断していく必要があるでしょう。

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