よくある相談

不倫の慰謝料請求を免除(宥恕)する場合とは?

不倫の慰謝料請求の免除とは?

 不倫の慰謝料請求は,浮気(不貞行為)をしたことに関する損害賠償請求です。一定の場合には発生しないことがありますが,その中の一つ(厳密には違法な行為ではなくなり,賠償責任がなくなるというもの)に請求を免除する(許すという「宥恕」というもの)があります。

 

 他の場合(そもそも夫婦関係が崩壊していた・夫あるいは妻がいるとは知らなかったし,わかりようがなかった)場合と異なり,請求はできるけれども,請求をする側が許すことで請求を免除するというものになります。ちなみに,ここで主に想定されているのはまだ離婚をしないことを前提に,不倫をした夫あるいは妻に対して許す(免除)するというものです。

 もちろん,不倫相手に対しても請求を免除することはありえますが,その場合にはそれだけの事情が必要となってきます。

どのような場合にあったといえるのでしょうか

 免除する・許すというのは,不倫・不貞行為があることを知っていることが前提ですから,単に知らずに時間を過ごしてきたというだけでは,当てはまりません。あくまでも,不倫・不貞行為があることを知っていても,様々な事情(一例として,子どものこと)があることをふまえ,不倫・不貞の解消を前提に請求をしないことを示すことが必要になります。こうした請求をすることなく,それなりの期間(どこまでの期間であるのかははっきりしませんが,少なくとも数年間あれば該当するものと思われます)夫婦として生活をするのであれば,免除・許したと評価される可能性が高くなります。

 もちろん,明確に合意をする(不倫・不貞行為の相手と別れることを前提に許す・免除する)場合には,事情にもよりますが,免除・許したと評価される可能性は相当高くなるでしょう。

 

 これに対して,不倫・不貞行為の相手方である場合には,単に請求をせず時間を過ごすだけでは,当然に免除・許したと評価されるとは言いにくくなるでしょう。この場合には,何かしら明確な合意が存在していないと,免除・許したと評価される可能性は低くなりますし,そうした証拠(書類など)がないとやはり同様に可能性は小さくなるでしょう。トラブルになる場合は,そうした合意があったかどうかが問題になるケースが多くなるためです。

不倫解消後,時間が経過して発覚した場合は?

 こうした場合には,不倫・不貞行為の存在を請求できる側が知っていませんので,免除や許したことにはなりません。また,時効の期間が経過するというのも難しくなります。ただし,解消から20年を経過していると時効とは別の理由で請求はできなくなります。

 

 だいぶ時間が経過してから発覚をした場合に,そのことで夫婦関係が破綻したというのはだいぶ言いにくくはあります。もちろん,他に原因がなく突然悪化したという場合には破綻原因とは言えますが,本当にそうなのか自体が争いになることも十分に考えられますので,簡単には言えないでしょう。不倫自体の慰謝料か離婚を余儀なくされた慰謝料なのかという点はありますが,時間の経過とともに慰謝料が低額化する可能性はあります。

 

 いずれにしても,こうした場合に,慰謝料の免除や許したという話にはならない点には注意が必要です。

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