よくある相談

親の土地の上に建てた家の評価は財産分与でどのように考えるのでしょうか?

どのような問題があるのでしょうか?

 以前妻の親名義の土地の上にご自身名義の家を建てた際の利用権その他の問題の話を触れました。今回は,ご自身の親名義の土地の上にご自身名義の家を建てている場合にどんな問題があるのかという話を触れていきます。

 

 この場合,妻側が離婚後に出ていくことも十分想定されますが,住むことを希望する場合には,利用権(内容やいつまで利用するのか等の話を含みます)や家賃をとるのかどうか等問題となることが出てきます。また,家を建てる際に住宅ローンを設定し土地とともに抵当権の対象にすることがあるかと思われますが,家(建物)の評価をどう考えるのかで,財産分与がどうなってくるかが変わってきます。特に,土地と家で名義が異なる場合には,家を使うための権利(無料で使えるという権利,使用貸借といいます)が存在することをどのように評価するのが大きな問題となります。さらに言うと,こうした権利について評価額を考慮するのか・いくらで考慮のかという問題です。

 建物は時間の経過とともに評価額が大きく下がる可能性がありますので,そこまで変動しないと思われるこうした利用権を考慮できるかは金額面で大きな影響を与える可能性があります。

実際の評価はどうなるのでしょうか?

 利用権自体は親子間で名義が異なる場合には通常は無償のことが多く,権利としては貸主側の都合で解消しやすいものとなります。そのため,貸主(土地の所有者)と建物の所有者の間で離婚に伴い利用権継続を考えにくい場合には,利用権自体に価値があるとは考えにくくなります。

 

 それでは,こうした事情がない場合には,敷地利用権を考慮することになるのかといえば必ずしもそうはなりません。裁判例によっても考慮するかどうかは異なっています。裁判例の中には,夫婦の協力によって建物が建てられたこと等を理由に敷地権の評価(利用権を考慮する)との判断を示したものもありますし,夫の葉は名義の土地の上に存在する建物(夫が多くの持分を所有する)ケースについて,いずれ相続によって夫が土地の名義を取得すれば夫固有の財産になると考えられることから,利用権を考慮することができないという判断を示したものがあります。

 一概にどうなるのかは言いにくいところがありますが,建物を建てる際の事情など様々な点(夫婦がどこまで協力したといえるのか等)を考慮しての個別の判断になるものと考えられます。共有財産が建物のうち共有持分である場合には,さらに,この持ち分をどのように評価するのかという難しい問題があります。

 

 このように,建物(およびその持ち分)や敷地利用権をどう評価するかは難しい問題があります。

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