よくある相談

株式や投資信託のような変動のある財産の評価はどうするのでしょうか?どこまで財産分与の対象になるのでしょうか?

財産分与の対象になる部分は?

 財産分与の対象になる部分は他のケースと同様にけっこんしてから築いた財産ということになります。確定拠出年金の場合も同様になりますが,結婚までの積立額をはっきりさせておく必要があるでしょう。これはそこがはっきりしないと,年数で按分計算なのかどうか等を含めて争いが大きくなる可能性があるためです。

 

 投資信託について積み立て投資をして購入している場合にも同様のことが言えます。積み立て投資を同じファンドに対してしているのか・売却と購入を繰り返している場合には,どの部分が結婚前のものか分からなくなってきますので,対応関係がはっきりしていないと財産分与の対象ではない部分があるとは言いにくくなってきます。結婚前の積み立てと結婚後の積み立てが交じり合ってどの部分化の特定が難しくなっていると評価されると,全体として財産分与の対象になってくる可能性が高くなります。

 

 株式の場合にも同様に,購入資金が結婚後に築いた財産(これはご自身の給料から出したものを含みます)なのか,親から引き継いだものや結婚前のお金なのかという点が問題になります。頻繁に売買を繰り返していれば,交じり合う可能性は当然高くなります。ちなみに,親が全ての株式を持ち経営する会社の株式を譲り受けた場合(中小企業で社長も引き継ぐ場合等)の場合には,清算の対象から外れるケースが多くなります。これとは別に中小企業でも夫婦で操業して大きくしたという場合には,その株式は夫婦で築いたものとして清算の対象になるケースが多くなるでしょう。

 

 いずれにしても,株式や投資信託の売買を繰り返して財産を形成している場合には,積み立て関係が明らかになる場合を別にすれば,財産分与の対象にならない部分があるのかどうかが大きく問題になる可能性があります。

評価額はどのように考えるのでしょうか?上場ではない株式の場合は?

 2020年初頭の株式などの相場に大きな変動がありますように,株式にしても投資信託にしてもいわゆるリスク性のある財産は価格の変動があります。別居時か離婚時かということで清算の対象となる財産の範囲も問題になりますが,価格の変動が特に大きいケースではどの時点の価格を基準にするのかで大きく問題になる可能性はあります。

 支払をすべき側(財産分与をする側)は低めで行きたい反面,支払ってもらう側は高めにしたいというのがここでの問題です。

 

 お互いの合意がある場合には問題がありませんが,価格変動が大きい(これは財産の性質もありますが,市況による面もありえます)場合には問題となります。さすがにこの場合でもランダムに再大学や最少額というわけにはいきません。別居時点や離婚の話し合いつく時点等の場合があり,お互いに資料を出して話をしていく(争っていく)ことになりますが,離婚裁判の場合には通常は審理の終結時点(事実審の口頭弁論終結時点といいます)のケースが通常と思われます。ただし,価格変動が大きい場合には,平均値で考えられることがありえます。

 問題はどのような場合が該当するのかというところがあります。

 

 これに対し,上場されておらず市場での売買がない株式の場合には,評価方法が複数あることもあり,問題が大きくなります。現物で分割をするという方法もありえますが,経営に関与しない側にとっては金銭清算をしたいところもりますし,逆に経営者一族以外に株式を持ってほしくないという思惑もあるでしょう。決算報告書を前提に純資産で考える方法もありますが,ここに疑義が出てくるのか・様々な方式を使うとどうなるのか等をも踏まえて解決に向かっていく必要があるでしょう。

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