よくある相談

財産分与の場面で,特有財産の主張をする際の注意点

特有財産の言い分が問題となる場面とは?

 離婚時の財産分与が問題となる場合に,財産分与の対象にならない財産=特有財産があるという話が出てきます。具体的には,離婚前から築いてきた財産を使ったというものや親から生前贈与を受けたお金である・相続で引き継いだお金であるというものです。

 問題となるのは,こうしたお金を原資として家を購入したという話が出た場合のお金の出所が実際にはどこなのか・同じく貯金の積み立てや保険の保険料の支払いをしてもらった場合のお金の出所がどこであったのかという話があります。こうした場合に,長期間かけて形成されていく財産という面がありますので,特に何もなければ結婚後にお互いが働く・家事をするという形で築いてきたものではないかというところで問題となってきます。金額も大きくなることもありますから,特有財産として財産分与の対象になるのか・ならないのかは大きな問題です。

 ちなみに,一部贈与などを受けたお金から支出したという場合には,財産形成の貢献の度合いが等しいのかどうかという問題となってくることもあります。ただし,この場合であってもどこまでが夫婦で築いた財産といえるのか・贈与などが貢献している部分はどこまでかは大きな問題となってきます。

言い分を出すにあたっての注意点とは?

 言い分を出すにあたっての注意点としては,どこまで争いになりそうなのか・争いになった場面で根拠を示すことができるのかという話です。争いがない場合(ここには,どの部分までが結婚前のお金を使ったものか・贈与などを受けたものか,それを使って家を購入したのか等が争いがないことを指します)には,言い分の通りで話が進みますので問題はそこまではないでしょう。しいて言えば,他のお金の問題画が絡むポイントについて,どのように解決を図っていくのかを考えるという点があります。

 これに対して,争いがある場合には,根拠をきちんと示していく必要があります。この場合には,お金の出所に関する言い分を整理することはもちろんですが,根拠資料を整理しておく必要があります。その場合には,根拠となっている事項が記載されている客観的な資料(通帳や領収証その他)があるかどうかは極めて重要です。複雑にお金が動いているケースについては,お金の流れがどうなっていたのかをきちんと整理する必要がある場合もありますし,その場合には資料の整理と言い分の整理も欠かせません。
 いずれにしても,抽象的に親から引き継いだお金を使った・結婚前からの金を使ったというだけではは説得力も信用性も低くとらえられかねません。相手のこれまでの反応から見て,財産形成の過程が争われそうな場合には,見通しや資料がどの程度あるのか等の整理が必要になります。特にお金の動きがあってから時間が相当経過している場合には,資料がない・どのような流れであったのかという点で記憶があいまいになっていることもある一方で,思いは強いという場合もありえます。ハードルをクリアできるのかどうかは重要なポイントになってくるでしょう。

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