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財産分与の家庭裁判所での手続きで命じられる内容とは?

家庭裁判所での財産分与の手続きとは?

 財産分与は,全体としてプラスの財産がある場合に問題となります。お互いの話し合いの他,家庭裁判所の調停などの手続きでも解決が可能です。離婚の際に決めることが多く,その場合には話し合いによる柔軟な対応か判決によって一定のお金の支払いや名義の移転・引き渡しなどが命じられます。離婚をした後でも2年以内であれば財産分与の手続きを行うことができます。この期間は時効と呼ばれるものではなく,離婚の成立した日から2年以内に手続きを取らないと財産分与を求めることはできなくなります。

家庭裁判所の判断で命じられる内容とは?

 財産分与で命じられる内容は,お金の支払いや名義の移転,家その他の引き渡しの命令等単にお金や財産を誰が取得するかという話だけでなく,問題を一気に解決するために必要な事項を命じることができます。命じられた内容・調停で包囲をした内容は合意の内容や文言によりますが,その文言や内容によっては,裁判所での強制執行と呼ばれる手続きでの解決を図ることができます。ここでの強制執行とは,法律で定められた手続きに従い強制的に定められた内容を実現することを指します。差押え→競売・引き渡し・名義の移転を一方的に行うことができます。そのため,こうした強制執行が可能な場合には,従わないことのリスク(例えば,差押えによる取引停止など)はよく認識をしておく必要があります。
 また,財産分与で名義の移転を行う場合には,その前提として実現するべき事項などきちんと内容や文言を確認しておく必要があります。

 この記事を書いている時期である令和2年8月11日に離婚後の財産分与に関する最高裁の判断が出ていますので,ここで触れておきます。事実関係は判断に記載されている内容を前提とします。簡単に言えば,離婚後の財産分与に関する家庭裁判所の判断の中で,財産分与を求められた側が住んでいる・財産分与を求めた側が名義人である建物について,住んでいる側に分与しない(財産分与を求めた側が取得する)判断をした際に,明け渡しまで命じることができるのかどうかが問題となったものです。結論から言えば,命じることができると判断をしています。財産分与の手続きで,名義の移転やお金の支払い・引き渡しを命じることができる決まりがあり,先ほど述べたように,誰のものになるのかを決めるだけでなく,決まった内容の実現も命じることで問題の解決につながる(それが法律の趣旨である)ということが述べられています。
 このケースでは,既に建物に住んでいる方に建物を分与しなかったケースですが,分与を命じる際にだけ引き渡しなどを命じるのではなく,分与を命じない(名義人が取得する場合)にも引き渡しなどを命じることをはっきりさせたものです。こうしたケースの中には,分与を求めていた側が居座っているケースもありえますが,分与を認めず・引き渡しを命じる可能性もあります。こうした問題を含め,迅速な問題の解決につながる可能性を示しています。

 いずれにしても,こうした問題解決を財産分与の手続きで測ることはできます。ただし,例えば,夫婦共有名義の家が共有のまま離婚裁判などでも解決をしなかった場合には共有物分割の裁判手続きを経ることになります。
 

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