よくある相談

夫婦それぞれの親や親族との不仲は離婚理由となる?

離婚理由が問題となる場合とは?

 離婚原因となるのかどうか・修復は可能なのかどうかということで様々な話し合いが出てくることがあります。「価値観」や「性格」の違い等とともに,夫婦それぞれの親や親族との折り合いが悪いことが離婚や修復の障害になるのか、という話が出てくる場合があります。離婚の原因になるのかという話と修復が可能なのかという話の間には,相当大きな違いがあります。

 まず,離婚の原因になるのかという話は,お互いがその理由で離婚をすることに納得するレベルの話なのか・そうではない場合には,最終的に離婚裁判まで至って離婚の理由として認められるレベルのものなのかという点で幅があることになります。特に問題となるのは後者の場合かと思われますが,親族との折り合いについては他の事情と相まっての修復が可能なのかどうか(婚姻を継続しがたい重大な事情があるのかどうか)という評価の問題につながってきます。後で触れる点ではありますが,位置づけなどはご事情によって変化していきます。

 これに対して,修復が可能なのかという話は異なります。離婚の原因になるのかは最終的には離婚裁判で意思に反してでも離婚が認められるほどの事情かというだけで,ここに該当しないということが修復を意味しないためです。言い換えると,修復できる場合もあれば単に別居状態その他の離婚には至らない場合がありうるという話になります。
 修復という場合には,ご夫婦お互いが一緒に生活ができると納得できるだけの事情が必要になります。親族との折り合いが悪いという場合には,親族との付き合いを変えてみる・生活の仕方を変えてみるなどの対応が考えられます。何が一番いいのかはご夫婦の間の話し合いによることになりますが,きちんと問題になっている事情を把握して解決策を探す必要があります。

ケースにより異なります

 先ほども触れましたように,親族との折り合いが悪い点をどのように考えるのかはケースによって異なります。以下でいくつかの想定されるケースを取り上げます。

 例えば,ご夫婦どちらかの実家で生活をしていて,一緒に生活をしている親などとの折り合いが悪い場合には,そこでの生活が難しいということもあるでしょう。修復を図る方法の一つは実家を出るという話かもしれませんが,そこに同意を得られない場合がありえます。そのことをもって,離婚について意見の対立がある場合の離婚原因になるとは限りません。あくまでもそれまでの事情や別居をする場合にはその後の事情も踏まえてどうなのかという話が問題になります。

 これ以外にも,例えば,どちらかの親が夫婦の間の生活に過剰に介入をしてきて(先ほどのケースもありえます),そのことについて他方が反発をしている場合もありえます。この場合に意見の対立を解消できれば修復は可能でしょうけれども,実際には対立の原因やそれまでの生活の仕方などもあって難しい場合もありえます。実際には,話し合いを重ねて考えていくことになるでしょうけれども,見通しをつける必要があるあります。

 いずれの場合でも(もちろんこれ以外の場合であっても),これまでの生活状況や親族との関わり合いなどによって,親族との不和の状況や程度は変わってきます。また,これまで・今後の生活への考え方などの違いによっても変わってきますので,ケースごとの事情は極めて重要になってきます。

 修復が難しい場合には,しばらく別居をしてみるのか・離婚へ向けて話し合いをしていくのかを考えていくことになるでしょう。その際に,離婚において必ず決めるべき,離婚をするのかどうか・子供の親権がどうするのか,意見の一致の状況を考えておく必要があります。見通しなどに詰まった際には,専門家への相談も一つの対応かもしれません。

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