よくある相談

別居の前後に,勤め先に押しかける・悪い評判を建てる,別居後に相手の住む家に押しかけることの問題点は?

相手の勤め先に行く・悪い評判をたてることのリスク

 夫婦関係が悪化し(不貞行為が存在する場合を含めて),妻やその親族が勤め先に押し掛ける・電話をする(悪い評判につながる話を述べる)というケースは十分ありえます。逆に,妻側に対して感情的に納得できないその他の理由から,押しかける・悪い評判につながる話をするということもありえます。
 いずれの場合も,その程度が大きく・頻度や様子も穏やかなものと言えない場合には,損害賠償の原因や離婚の原因となる・犯罪となってしまう可能性もありえます。そのため,こうした行動には安易に出ないことが必要です。

 離婚の原因や損害賠償の原因となるというのは,こうした押し掛ける・悪い評判を建てるということが名誉棄損(社会的評価を下げる事実を示す)ことなどにつながりかねないためです。前者については,夫婦関係の隔たりが大きいことや修復が難しいこと・相手の離婚意志を強める(離婚をするかどうかで争いがある場合には意味を持ってきます)ことを示す可能性があります。後者は名誉棄損と評価される場合には,損害賠償の原因となりますし,離婚を余儀なくされる事由(通常は別居前の事項で考える場合が多いように思います)の一つと評価されればやはり損害賠償の原因となりえます。

 ただし,実際に名誉棄損といえるものかどうか・損害が大きいのかどうか・修復が難しい原因となるのかどうかはケースごとの事情によりますし,回数が頻繁あるいは多い・話の内容などがあまりに問題があるかどうかが重要になってきます。こちらは,単にそう思ったからという話ではなく,証拠などから言える話が一般的に見てどうなのかというところから決まります。

相手の住居に押しかけることのリスク

 こちらについても,先ほど触れたのと同様の問題点があります。それに加えて,相手の住む家に向かうことで本人同氏がかち合うために,警察への通報などトラブルが大きくなりかねないという点に特徴があります。元々住んでいた家に向かうのは自分の家ではないか(どちらかが家を出て別居したケース)というお気持ちもあるでしょうけれども,居住の事態が出ていき時間が経過することでなくなった場合・押しかける等立ち入りの態様などから大きくトラブルになるケースなどでは住居侵入罪等犯罪になる可能性もあり,注意が必要です。

 警察への通報の記録は残りますし,こちらを証拠として賠償請求や離婚の原因の証拠とされる(離婚や賠償を求める側から)可能性もあります。私生活の平穏の侵害などに当たるということで,離婚の原因(修復が難しい根拠の一つ)・賠償請求の原因とされるリスクがあるので,リスクをよくわきまえた行動や対応が重要となってきます。

 もちろん,事前に取り決めをしてその範囲で荷物を取りに行く等の場合には問題はないと思われます。結局は押しかけなのかどうか・事前に話をしておいたのか・家に向かった時間やその際の様子やり取り等個別の話が重要になってきます。
 
 いずれにしても,これらの問題要因やご自身の意向などを踏まえてどのようにしていく(相手の行動への対応を含む)かを決めていく必要があります。

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