よくある相談

不貞行為の発覚後に社会的制裁を受けたことは,慰謝料額を減らす理由になるのでしょうか?

慰謝料の考慮要素とは?

不貞行為・不倫自体は,主に結婚している夫婦間の貞操権侵害を理由とした精神的な苦痛を損害としてそれを穴埋めするのが原則です。一部調査費用を損害に含める可能性がありますが,あくまでも精神的な苦痛をお金で評価(最終的には裁判官の判断)する形になります。

 その中では,不貞行為の期間やその内容・一度判明した後も継続しているのか・判明したのは何回目か・解消するといったのに結局継続しているのか等の要素が考慮されます。もちろん,権利の侵害は離婚へと追い込んだ方が大きくなりますので,離婚をしない・別居もしないという場合には損害が小さくなる可能性があります。

 慰謝料では様々な要素が考慮されますが,不貞行為を行った側がのちに受けた制裁が考慮自由になるのかどうかがここでの問題です。実際に,不貞行為を会社に通知された・会社に文句を言われたというケースは十分ありうる話です。このことを理由に当然に会社側が処分その他を行うことは難しい(ただし,業務や会社内の秩序に大きな問題を与えたといえれば別)ところではありますが,何かしらの制裁を受ける可能性はあります。
 また,ここでの社会的な制裁というのは勤務先に関係なく,SNSやネットでの暴露・近所や親族への通知などが考えられます。あまりに度が過ぎるものは逆に損害賠償請求をなされる(不貞行為をした側からの話です)可能性もあります。

 不貞行為を行ったことについて既に十分な社会的制裁を受けたこと自体は,それによって精神的な苦痛が埋められるのかという印象も持たれる方もいらっしゃるかもしれませんけれども,慰謝料額の減額可能性となる可能性があります。ただし,他の方の権利を侵害しているという面もあり,制裁が当然に減額要素となるのではなく,その程度や内容などによって可能性があるという話になります。

制裁はすべて考慮されるのでしょうか?

 社会的制裁の内容といっても,逆にそれ自体が損害賠償請求の対象となりかねない暴力や暴行・誹謗中傷などの話から,職場での降格や事実上の制裁を受ける場合など様々です。特に後者の場合には,不貞行為が理由となるものか(不貞行為についての社会的制裁といえるのか)も問題となります。

 誹謗中傷その他名誉棄損に当たるものはその性質上,直接のものか・職場への押し掛けなのか・インターネット上のもので特定ができないものなのかといったものまであります。ただし,特定ができない場合であっても,不貞行為で被害を受けた方や関係者でないとそうした行為には及ばないのが通常ではないかという点もあります。ただし,特定をできない方に対して逆にアクションを起こすのは難しい点があります。
 不貞行為との関係は言いやすいという面がありますし,今述べた性格(被害者あるいは関係者しか知りえない内容など)では損害を低く評価される可能性があります。あくまでも,制裁とされる内容やどのようなやり方でどの程度の頻度なされたのかなどを考慮しての話になりますので,全てが減額事由として考慮されるわけではありません。もちろん,こうした制裁によって心身に負担を抱えた場合には考慮される可能性があります。

 その他職場での事実上の制裁などは,そもそも不貞行為によるものなのかはっきりしないものがあります。不貞行為の発覚後に受けた不利益が全て,不貞行に対する社会的制裁というわけではありません。元々何かしら不利益を受ける理由があった場合には関係がないことになります。

 何かしらの制裁を受けた場合には,そうした事実があったのかが問題になることがあります。暴言その他についても言った言わない・内容が違うということがありますので,きちんと証拠に取っておくことが重要です。逆に何かしら相手への不満から行動に出た場合には,相手からの反論の根拠になる可能性がある点には注意が必要でしょう。

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