よくある相談

事業収入の変動や管理職になり残業代が出なくなることなどによる収入の変動は,養育費・婚姻費用の算定でどう考慮されるのでしょうか?

事業所得の場合は?

 ご自身で商売をされている事業所得の場合には,毎年収入の変動が想定されているものです。勤めの方であっても,副業で自ら商売をしている(例えば,メルカリなど)場合にはその部分は同じ話になります。収入の変動がある程度想定されているものについては,数年分の確定申告書やその他資料を提出して平均を計算するというものもありますし,直前の申告時の確定申告書が経済力を表しているということで収入の基礎にするのが普通です。
 
 平均値をとるのは相当程度大きな変動が生じている場合と思われますので,当然にはならないといえるでしょう。経済状況の悪化など大きな変動要因(確実に減収が生じるような事項)があったとしても,確実にどの程度の減収になるのかまでは不明確な場合には,その状況が考慮されないことも十分にありえます。確実にどの程度までの減収かなどが不明確な状況では確実に言える収入は,せいぜいがその直前の時期のものだからです。

 変動要因がどのようなものかも大きな要素であり,事業を行っていれば通常あるという程度のものであれば,その子をと大きく考慮するというわけにはいかないでしょう。

 そのため,減収見通しが問題になる場合は,原因がどういったものであるのか・確実に減収といえるのかどうか・その内容はどうなのかといった点が重要です。個人の副業の場合には,その規模にもよりますが,小規模でそもそも変動が大きなものについては,確実な変動が何かは言いにくいこともありえます。

管理職になり残業代がなくなったこと等の考慮は?

 勤めの場合には,事業をしている場合ほど収入の変動は起きにくい点があります.問題となる要素として残業代の兼ね合いがあります。勤め先によっては残業が多いとがあると残業代が大きく増えますが,次の年に景気動向その他(現在は法改正により残業への上限規制が厳しくなっています)により減る可能性もあり変動は十分ありえます。制度変更に伴うものは確実性があるものの,景気動向については数か月以上の経過を見ないと確実性が不明なため,なかなか考慮されない可能性もありえます。先ほどの事業所得の場合と同じく変動については確実性が重要である一方,勤めの場合には変動の可能性が低いという点が重要です。

 昇進による管理職になると残業代がつかなくなる(労働基準法上実際に残業に関する規制が外れるかどうかの話はここでは置いておきます)と,収入が減る一方で管理職手当やそのことがボーナスに反映されるので,どこまで給与に影響するのかはわからない面があります。昇進して間もないころは,そうした状況は顕著で不明確です。確実性の面から言えば,減収が確実といえるかどうかが重要になってきます。

 裁判例の中には,管理職になり残業代は亡くなったが手当などが増えた・毎年給与が増えてきた・管理職になった年も毎月の支給額は増えていたがボーナスは減ったという方について,昇進により残業代がなくなった等の事柄で給与が減るかどうかは確実性がなくわからないという理由で,前年の収入を基準とすると判断をしたものがあります。
 そのため,収入減少の根拠がある場合には,確実に言える事情をきちんと整理して裁判所に提出する必要があります。

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