よくある相談

婚姻費用(生活費・養育費)を未払いのとき差し押さえを受けた場合の問題とは?

差押えの意味とは?

 養育費や婚姻費用(生活費)は一定の終わりの時期まで定期的に払うのが基本となるお金です。差押さえの対象となるものとしては家や土地・預金・毎月支払われる給料(役員報酬を含む)が存在します。差押さえとは財産を自由に処分をすることができなくなるものです。家や土地を差押さえされると売却ができませんし,預金は引出しできなくなる部分が出てきます。給料の場合には,差押えの上限範囲の中で支払いがされなくなります。

  給料についていえば,勤務先は差し押さえ命令を出した裁判所に,給料の内容などを報告することになります。こちらは差押さえをした側に知られることになります。差押さえを受けた後に回収をされると,預金は減ります。給料は差押さえをした側に支払いがなされます。家や土地も売却される可能性はありますが,競売などに至るために裁判所の納める必要のあるお金が大きい傾向にあるので,そう簡単に競売までできるわけではありません。

 

給料を差押さえられた場合の問題点

 給料など定期的に支払われるものを差押さえられた場合には注意すべき問題点があります。それは一度未払いが生じた場合には,未払い分を解消させても差押えが継続しかねないという点です。差押さえ自体は,支払義務があると公正証書や調停調書などで記載があるお金の部分までしかできません。

 当然既に支払われたお金を二重に差し押さえて回収をすることはできません。これを行うと,財産である給与の不当な侵害となります。ただし,未払いのお金や過去の未払いがなくなっても次の月の婚姻費用や養育費は支払時期が来れば未払いになりますので,ここを差し押さえと回収を行うこと自体はできます。

 差押えがされて強制的な回収に至っても自発的な支払いはできます。この場合,公正証書や調停調書で未払いのお金のどこを支払ったことにするのかという扱いを決めていない場合には,通常法律の規定によりどの部分のお金を支払ったことにするのかが決まります。自発的な支払いと強制回収によって未払いが一度無くなっても,先ほどの話は変わりません。

 もちろん,差押さえ命令を相手に取り下げてもらえるならば,差押えの状況はなくなります。差し押さえ命令の申立てに至るのは,延滞が継続しているケースが大半と思われます。相手側からすると支払い継続に対する不安があります。少なくとも,取り下げをしてもらうには単に未払い解消だけでなく,支払い継続の確実性を示していく必要があります。
 全てのケースで差押さえ命令の取り下げがなされるとは限りませんが,一度給料の差し押さえがあった場合には,こうした問題や交渉が必要な点には注意が必要です。ちなみに,先ほど触れた相手が回収しすぎている場合には,お金の返還請求等を行う必要があります

 離婚前の婚姻費用(生活費)については,未払い解消と離婚が成立をすれば,婚姻費用の発生や差押えという問題は解消します。一度差押さえに至ってしまった場合には,他の状況や条件面を見ての話になりますが,早期に離婚を成立させる方がいい場合もありうるでしょう。

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