よくある相談

子どもに対する行き過ぎたしつけ行為などは慰謝料請求の根拠になるのでしょうか?

子どもに対するしつけ・虐待は,慰謝料の現認になるのでしょうか?

 子供に対する「しつけ」なのか「虐待」なのかは段々が難しい問題であるとともに,夫婦間での対立の原因となる可能性もある問題です。現在「189」等の連絡窓口もあるところです。仮に,妻側から子供への暴力その他行き過ぎたしつけ,「虐待」ではないかといわれている場合に,そのことは離婚の際の慰謝料の支払い原因となるのでしょうか?

 原則としては,ならないというのが回答になります。ただし,子供へのしつけその他が「虐待」にあたるのではないかが問題になるケースは様々考えられ,そのことが夫婦の間での大きな離婚の原因となるケースもあるなど例外に当たるケースも考えられます。
 ここで原則として,夫婦間の離婚における慰謝料の発生原因とならないというのは,子供に関する事項はあくまでも夫婦の間での暴力や暴言その他の問題ではないからということになります。言い換えると,夫婦の間でのDV等の個別の慰謝料の原因とはなりえないということになります。もちろん,事実の問題として,妻側言われている暴力や暴言ということが存在するのかどうかという話しや,仮に何かしら子供に手を挙げるということがあっても,それが悪いことをしたことへの軽い注意レベルの内容と程度であったのかという点が問題になることもありえます。ここでの話では事実関係がどうであったのかという点で双方の言い分が大きく食い違う可能性がありえます。

 では,例外が何かといえば,行き過ぎたしつけや「虐待」行為が存在することが離婚を余儀なくされた原因といえる場合には,離婚慰謝料の原因となる可能性があります。あくまでも全体像を見てということになるので,子供に対する言動が妻側に対すDVやモラルハラスメントとなっていた・妻側が離婚を余儀なくされる大きな原因となっていたといえる必要が出てきます。ここでも,事実関係がどうであったのかという点での対立もありえます。

 妻側から仮に指摘や要求があった場合には,反論をきちんと行う必要があります。もちろん,事実として虐待行為がない前提になりますし,仮に存在してもそのことが夫婦破綻の原因になっていないという場合の話です。ここでの反論は,事実関係の詳細な主張や逆の事実があることを示す写真や動画・音声データの存在を示すことが考えられます。また,一部分を切り出しての録音がある場合には,その部分だけで事実を判断していいのかという問題もありますから,前後の話の流れやどの部分の話なのかを示す必要があります。

しつけと虐待の違い,面会交流などへの影響

 虐待に関しては,児童虐待防止法で定義が存在します。詳細は割愛しますが,暴力や暴言の他に,育児放棄などのネグレクトや性的虐待,いわゆる面前虐待といわれる妻や他の子どもへの暴言や暴力も該当する可能性があります。ある意味で分かりやすい,殴る・蹴る・ものを投げつける・罵倒するなど以外にも広く該当する可能性があります。子供が悪いことをした際の「しつけ」との境界には難しい判断が必要なこともありえます。言葉によるものでも,否定する・無視する・自身心を傷つける言動も含まれます。

 慰謝料の問題以外に,夫婦の行き違いの原因となれば離婚の原因となる場合・子供の監護権や面会交流に大きな影響を与える可能性も出てきます。

 ことに事実関係として,「虐待」あるいは行き過ぎた行為があったかどうか争いがある場合には,監護権や面会交流などでそのことを監護権の否定や面会交流を拒む理由とされた場合の対応をどうするのかという問題が出てきます。事実関係が異なる場合には争うことにはなりますが,子供自身の態度が拒否的なのかどうか・その原因や負担を考えての対応が必要になる場面も考えられます。

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