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不倫・不貞行為についての慰謝料請求に対して時効の主張はどのような場合に認められるのでしょうか?

不倫・不貞行為の慰謝料請求はどのような場合に,時効になるのでしょうか?

  不倫・不貞行為は一時期だけのもの・継続的なものなどありますが,時効は一時点のものに対して,順に進んでいきます。言い換えると,継続的な不倫・不貞行為の場合には,過去の不倫・不貞行為に対する時効は順次進んでいきます。スタート地点は,配偶者あるいはご自身が「不倫・不貞行為をしている事実を知った」かつ「相手方があれ過請求できる程度に知った」時期からになります。

 

 このスタート地点以降に夫婦関係が破綻したといえる事実があるのかどうかにより,時効が意味を持つかが変わってきます。夫婦関係自体破綻したとは言えない関係が続いていた場合には,不倫・不貞による権利の侵害(慰謝料の発生)が続くことになるので,過去の一部分が時効にかかることにより,どこまで慰謝料が減るのかという話が出てきます。要は減らないのではないかという話です。これに対し,不倫・不貞行為が発覚時点で終了した場合には,期間経過により時効の主張をできることになるので,慰謝料請求にとっては重要な意味を持ちます。

 慰謝料が発生しても,時効にかかれば,請求が認められないためです。ここでの請求とは,相手が支払わない場合に裁判を起こしても認められなくなるという意味です。離婚慰謝料については,離婚の際に請求することがありえます。仮に請求がなかった場合には,離婚から3年が経過すれば時効にかかります。離婚の原因が不倫・不貞行為であった場合には離婚までに事実関係が判明していないことが考えにくい(不倫相手が判明していない場合はありえます)ので,少なくとも配偶者間では時効が壁となることがありえます。

主張の際の留意点とは?

 時効の主張をする際には,相手と争いがありますので,時効のスタート時点がどこかを証明する必要があります。離婚の場合には戸籍といった記録があるのではっきりはします。それ以外の場合には,何かしたの原因で不倫・不貞行為及び不倫相手が判明したといえる事情を整理及び証明する必要が出てきます。

 

 夫婦の間であれば,不倫・不貞行為の事実を一方が知ったといえればいいのですが,不倫相手の場合には自らが相手であることを知っていたといえる必要があります。LINEやメールで過去,請求を受けたことがあるのであれば,その記録が証拠になりえます。相手と事実を知ることなく,請求はできないためです。単に,不倫・不貞行為が今から見て3年前に終わっているというだけでは,時効のスタート時点から3年経過したという話にはなりません。

 

 現在も不倫・不貞行為が継続している場合には,スタート時点がいつかを示していくことだけでなく,時効にかかる期間以外の最近の時点では夫婦関係が破綻しているといえる事実を示していく必要があります。時効は一刻と時効にかかるものですが,時効期間が経過していない部分は何もなければ慰謝料の原因が生じていることになります。一方で,夫婦の関係が破綻しているという事実関係が存在する場合には,そうした事情が存在して以降は裁判例上慰謝料は生じないとされています。

 破綻しているといえるかは評価なので,その根拠を示せるかという話になります。反論とその根拠しては,過去の不倫・不貞行為の判明後も同居していた,夫婦としてやり取りをしていた写真やLINE・メールなどがありえます。破綻しているという側には,やり取りなどがないことを示す根拠が必要になります。

 

 いずれにしても,口頭のやり取りしかなくなにも証拠がない場合に,言い分を出せばいいというわけではない点には注意が必要でしょう。

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