よくある相談

離婚に基づく慰謝料請求における遅延損害金はいつから発生し,利率はどうなるのでしょうか?

遅延損害金の意味とは?

  遅延損害金とは履行すべき義務をその時期までに履行しない場合にペナルテイとして支払うべきお金です。お金を借りた場合には返済期限までにお金を支払えない場合に生じます。慰謝料についても支払い期限までに支払いができなければ生じます。離婚の場合でも財産分与で支払うべきお金の支払い期限・慰謝料など多くお金の支払い期限が設けられていますので,支払いが遅れるといえん損害金が生じることになります。

 

 遅延損害金の内容をあらかじめ取り決めて合意をしておけば基本的にはその内容になります。決めていない場合については,法定利率×支払うべきお金×遅延期間によって支払うべきお金が変わってきます。遅延期間が長くなればなるほどに金額が大きくなりかねない点には注意が必要です。遅延損害金が生じた場合には遅延損害金まで支払いをしないと支払いは完了しません。支払いが足りない場合のどの部分を支払ったといえるかは取り決めで決めるほか,法律で充当(その部分お支払いに充てるのか)というルールが決められています。

遅延損害金はいつから生じるのでしょうか?

 遅延損害金は支払い期限を経過すれば症います。その期限がいつなのかという話が問題になりますが,支払い期限を取り決めておけばはっきりする点は既に述べました。支払期限についてのデフォルトルールは法律上定められています。期限の定めがない場合には請求を受けた時点になります。このほか,慰謝料の支払いについては裁判例上不法行為の時点からになります。不貞行為についてはそのあったことが言える時点ということができますが,裁判上の請求では遅延損害金がいつから生じるかは請求側が指定することになります(訴状の記載です)。

 

 離婚の場合の慰謝料については,暴力や不貞行為といった個別の事柄を原因とするものと離婚を余儀なくされたことを原因とするものがあるという点は以前触れました。このうち,前者はそれぞれの行為の時点からになります。この記事記載の時点に近い令和4年1月28日に最高裁の判断があり,離婚を余儀なくされた慰謝料については離婚を名命じる判決が確定した時点(離婚が成立した時点)から遅延損害金が生じるという判断が出されています。

 この判例のケースでは法定利率が令和2年4月以降はそれまでの年5%から年3%(数年に一度改定あり)に変更されたため,遅延損害金が生じる時点によって法定利率が変わるという面がありました。このケースでは高等裁判所の判断では婚姻関係破綻時を基準に改正前の利率によるものとしていたものを改正後に判決が確定するのでということで変更しています。このケースでは離婚裁判での判決という場合ですので調停では合意の内容によるでしょう。

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