よくある相談

養育費に関する「特別な事情が生じた場合の負担を協議する」という項目の意味は?

養育費における「特別な事情」が生じた場合の費用を協議するの意味

 離婚協議や離婚調停における養育費の取り決めの内容として「特別な事情」が生じた場合に費用負担を協議するという項目を設けることはよくあります。この意味として,合意をした養育費の負担に追加して直ちに負担が生じる意味に捉える方がおられるかもしれません。記載として「協議をする」という項目であるように,この項目を入れたからといって,話し合いをすることを約束するだけですので,当然に負担が生じるわけではありませんし,負担の内容も確定するわけではありません。

 

 ここでいう特別な事情とは養育費を取り決める際に通常考慮されている事項以外の出来事が生じた場合を指します。よく例示される子どもの大きな病気やケガで治療費がかかる・大学などの教育費が大きくかかる場合等が該当します。協議をすることを約束するということですから,それ以上に何かしらしないといけない義務はありません。ただ,一度養育費を取り決めても増額・減額の請求は想定していない事情変更があればすることはできますので,こうした項目がなくても話し合いを求めることはできます。話し合いができない場合には家庭裁判所での調停申し立てを受けることもありえます。実質は増額請求である場合には,話し合いができない場合には裁判所の判断(拘束力あり)につながる点も考えて話し合いに応じるのか・応じるとしてどのような内容で進めていくかを考える必要があります。

特別な場合の費用負担と養育費の増減

 話し合いの対象となる費用の中身は,病気やけがの際の治療費などの件であればその病気やケガの内容によりますし,進学による場合には学部や私学なのかどうかなどによっても変わってきます。余計にかかる費用を収入額をもとに負担割合を考える等の場合もありえますが,当然今までの養育費の負担をしていることも考慮には入ります。

 

 負担を考える上では,特別な事情といえる場合なのかどうか・費用が追加的な負担を求めるほどのものかどうか・双方の収入等の要素を踏まえて考えることになるでしょう。双方の収入については話し合いをする時点のものを参照することになります。離婚時点では子どもが幼い等の理由で妻側が収入が少ないケースもままありえますが,その後妻側も収入が増えた・夫側の収入が様々な理由から落ち込んだ場合には当然に負担が追加にはならない可能性もあります。緊急の支出には早めに話し合いをした方がいい場合もありうるところですが,面会交流その他やり取りがない等の事情があるとその点から話が難しくなることもあります。

 

 元妻側から負担を求められた場合には,子どもに対する気持ちが一番ですが,負担の内容やその金額の妥当性等も考えた方がいい場合もあるかもしれません。

 

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