自宅など不動産の購入のうち,実家からの援助が原資であることの意味と争いがある場合の対応とは?
実家からの援助があることの意味
自宅不動産など結婚後に購入などをした不動産はローン超過や拮抗しない場合には,清算対象となる金額が大きくなる可能性があります。頭金などの支払いのために実家から援助を受けることはありうるところであり,購入の際には各種修理などのお金もかかるので,いくらを何に充てたのかは重要になってきます。
その場合に,実家から援助を受けた金額をそのまま現在の評価額から差し引くのか・購入額に対する割合として考量するのかなど複数の考え方はありうるところです。この詳細は別のコラムで触れていますのでここでは詳しくは触れませんが,いずれにしても,夫婦が共同で築いていない部分に実家からの援助は当たる可能性があります。夫婦双方に対する援助=贈与となると片方だけの特別の貢献とは言えなくなるので,実際はどうなのかが後で触れる援助は存在したのかという点とともに問題となることがありえます。
原資に実家からの援助があることをどう示していくのでしょうか?
先ほど触れた清算の方法の修正の話とともに,実際そうした援助があったのかという事実関係も争いになることがあります。お互いの共通理解だと思っていたところが実際はそうではなかったということもありうるでしょう。
この場合にはお金の流れがあったことや夫婦での収入ではその支出ができなかったことを示していく必要があります。例えば,お金の流れということになると,その支出のあったころにその金額に見合うお金の引き出しがある口座からなされていたという話などです。家の購入などから時間が経過している場合には,預金口座の履歴を取り寄せるにしても10年を超えているケースでは昔の履歴(引き出しなどの記録)がないこともありえます。
この場合には原資を解明することに限界は出てくるものの,当時の収入額や夫婦での預金額等から原資を確保できなかったことを示していく等の方法はありえます。もちろん,こちらについても昔の話については親外の認識が一致しないこともあるため,単に事実経過の言い分のみが食い違うだけという場合も出てきます。言い分が一致する部分から,例えば購入の原資になるお金が夫婦のお金から歯だ使用がないということは,ある程度は親等から援助を受けた可能性を裏付けることもありえます。
援助を受けたなど「特有財産」という分与対象以外の部分があることは主張する側で示す必要があるので,この程度で実際に裁判所の判断がなされる場合には,これで十分なのかを頭に入れて話を進めていくことは他の要素も考慮に入れ手にはなりますが,特に離婚協議や調停の場面では意味を持ってくるのではないかと思われます。