よくある相談

夫が代表者・妻が役員,従業員である際の離婚での注意点とは?

妻が役員である場合の注意点は?

 夫が会社を経営している場合、特に結婚前は個人事業主で結婚後に会社形態にしたようなときは、妻が経理などで会社に関わりながら役員ないし従業員であるということが割と多いと思います。

 しかし、その後残念ながら妻との間で離婚の話が出てくると、離婚後も妻が会社に留まると経営に関して対立するなどの可能性が出てくることがあります。また、妻が役員のときは会社の株式を持っていることがあり、これをそのままにすることにより、会社の支配権に争いが出たときに収集が付かなくなるリスクがあります。

 妻が役員であるときは、会社との関係は委任契約となりますので、離婚に伴い会社から離れてもらいたいというときは委任契約の解消か、任期の経過を待つ、株主総会で解任手続きを取るといった方法があります。ただ、任期の経過を待つ時は離婚の話が出たタイミングによりますので、年単位で先になることもあるでしょう。また、株主総会での解任には正当な理由が必要になりますので、単に離婚の話が出たから、というだけでは難しいといえます。

 実際のところは妻と話し合い、株式の適正な価格での買取(この辺りは財産分与の話となってきます)も含めて協議した上で、離婚した後に問題が残らないように対応しておくことが必要です。

妻が従業員である場合の注意点は?

 妻が従業員であるときも、互い離婚したあと関わるのが煩わしい等から会社から離れてもらうという選択をすることが多いかと思います(ただ、事情により離婚後も従業員として残ってもらうということはあるでしょう)。

 ただ、いきなり解雇とするのは緒期間にわたって無断欠勤がある、会社のお金を横領して会社に大きな被害を生じさせたなど、解雇せざるを得ない客観的合理的な理由が必要とされており、こういったケースであってもハードルがかなり高いです。特に妻が引き続き働きたいというときは基本的に解雇は難しくなります。

 特に妻が引き続き働くことを希望している場合は、離婚後の生活に対する不安や、転職がすぐには難しいといった事情によることが多いと思います。そのため、自主退職してもらうために今後の一定期間の生活が保障されるような金額の退職金を提示する、財産分与の額に扶養的なものを上乗せするといった配慮をすることで、妻側も受け入れやすい条件を提示する必要があるでしょう。

 いずれにしても特に離婚により職を失うことになる妻の事情を踏まえて条件を示すことにより、できる限り話し合いでまとまるように進めることが大事ではないかと思います。

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