よくある相談

離婚・別居後の子どもとの面会交流はどんな頻度や時間で行われるのでしょか?

お互いの合意によりますが,難しい場合には?

  そもそも,面会交流(直接会うことや電話などによる間接的なものまで多様です)は別居後・離婚後の親双方がきちんと合意ができていれば,その内容は合意により自由に決めることはできます。ただ特に弁護士相談に至るケースの中には,親(夫婦)の間の感情的な対立や別居・離婚までの経緯を引きずって交流自体ができないものもあるように思われます。

 

 また,実施ができている場合でも時間や頻度などによる影響を受けることがあります。調整が難しい場合には家庭裁判所での調停手続きで調整を図る・調整を図れない場合には裁判官の判断ということになりますが,実効性を考えると調整ができるかが最大のポイントのように思われます。その際に原則当然に面会交流が実施できるのかという問題があり,調停などの手続きでどのような運用がされているのかは気になるところです。

 その際,以前は原則実施を進めると考えられたものが,特に令和2年に公表された「東京家庭裁判所における面会交流調停事件の運営方針の確認及び新たなモデルについて」(家庭の法と裁判26号129頁以下に全文が掲載,東京家庭裁判所面会交流プロジェクトチームの裁判官や家庭裁判所調査官の方が執筆したもの)に言及されることがあります。

 長いので簡単に触れていきますと,これまでの調停の進行方法とその問題点・今後の考え方が示されています。ここでの問題点とは,子どもと同居している親への配慮を欠いた原則著臆説交流実施の方向へお批判と全く逆からの批判であるせっかく決めても実施の実効性に欠けるという同居していない親からの批判が挙げられています。

 そのうえで,「ニュートラルフラット」な立場で裁判所は関わり,子の連れ去りやDVの有無・子どもの状況・親(双方)の状況や関係性・これまでの子どもとの関わり(特に同居していない方の親)・環境(同居した親の再婚などの子どもや親を取り巻く環境面)の把握を行うと書かれています。把握した事項から問題となる事項や背景を抽出して調整を図るとの話です。実際には具体的な話が書かれています。

家庭裁判所の調停などでの運用は?

  筆者個人的には家庭裁判所での運用が先ほど挙げた論考の前後で変わっているようにはそれほどは思えませんが,交流の実施を阻む事情がなんであるのか・それを可決するための調整を図る・継続して交流を実施する方法や頻度時間を探っていく方向で調整は進んでいくように思われます。その際に,背景事情や問題点を把握するために,お互いに言い分や根拠資料を提出する・調停の場で話をする・家庭裁判所調査官の調査(聞き取りや試行的交流等)が行われています。

 

 親同士の関係や連れ去りの話など出ていますように,ケースによっては直接交流がしばらくは難しいケース・ビデオ通話なども難しい場合もありえます。直接交流を実施する場合にも,家庭裁判所の手続きでの取り決めはとりあえずのスタートであるため,最終的な希望が必ずしも叶うとは限らないこと・同居している側にとっても応じやすい内容である必要があります。自発的実施でないと取り決める意味は薄くなりますし,最終的な裁判官の判断でも先ほど取り上げた論考の要素などを考慮の上で実施内容を決めるので,月1回程度・1回当たり数時間(子どもの年齢により変わってきます)程度が直接交流でも見込まれる可能性が高いように思われます。調停や審判は親同士がご本人として臨みますが,あくまでも子ども(環境面や負担を踏まえて)にとっての影響などが最大限考慮されるという点は重要な点です。

 あくまでも調停は話し合いであることや先ほどの論考にもあるように,お互いの言い分や前提が食い違うからこそ対立に至るので,単なる不満をぶつけるだけでは結局交流実施が遠くなる可能性がある点は頭に入れておく必要があるでしょう。別に月1回でなければいけないわけではありませんが,仮に交流の頻度や時間の増やすなり伸ばすということを考えるならば,そのことへの懸念や負担が大きくならないことを示していく必要があります。

 

 この話とは異なり,親同士の対立や子どもの連れ去りや暴力などが問題になる場合には,そもそも交流自体可能かどうかが問題になります。試行駅交流が可能なのかどうか・仮に実施する場合の交流方法は何だろうかという点も含め問題は深くなります。

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