勤務時間が平日日中であること等勤務形態・親の援助があることは親権者などにどう影響するのでしょうか?
父母それぞれの子育てへの関与状況などがポイントです
これまで・今後の平日・休日などの勤務スタイルは子育てへの関与がどの程度することができるのかを示す指標の一つですので,その内容によっては双方の監護のうちどちらがより的確なのかという点に影響を与えます。勤務時間帯・残業の有無や内容・出張は休日出勤等がどうなのかという点ですが,ここは時間や関与への事実面で争いがある場合,争いはないが評価に問題がある場合で話は異なってきます。
親権者・監護の的確さを考える上では,父母(夫婦)自体がどこまで過去子育てに関与してきたのか・そこに問題がなかったのかどうか・今や今後の生活から見てどうかが一番の問題になっていきます。親の援助という点はもちろん重要ですが,あくまでも補助という意味合いが強いところなので,日中親がすべて面倒を見てもらうという場合にはもはや補助ではなくなっているという点はあります。
平日日中勤務がある場合であっても,学童保育・保育園に通うことや送迎にある程度は関わること・親(祖父母)はあくまでも援助(送迎の援助や帰りが遅くなる場合の補助)という場合には,監護にかかわりを持ったといえる可能性が増えていきます。これに対し,家を空けることが多い(夜帰りが遅い・出張が多い)・親に預けっぱなしという場合には逆の評価を受ける可能性があります。
これとは別に,事実に関してどこまで面倒を見ていたのか・学童などの送迎を誰がどこまで行っていたのか(記録が存在する場合もあります)・残業がどの程度あったのか等が問題になる場合には,証拠での裏付け(言い分と反対の証拠がどこまであるのか)が重要になっていきます。相手の言っている話が記憶していたところと違うのではないかという話を言い分で出すことはもちろん重要ですが,これらの裏付けがどうなのかがより重要になります。また,問題と思う行動は具体的に言う必要はありますし,ご自身が問題と思っている内容が必ずしも一般的に見て問題が大きな行動といえるわけではない点にも注意が必要です。
ちなみに,勤務状況について事実関係で争いがある場合には,出退勤の記録ややり取りをしたメールやLINE等が一つの証拠ととはなりえます。裏付けになりそうなものがどの程度あるのか・相手が反論している場合にその言い分や裏付けがどのようなものかも整理する必要があります。
親(祖父母)の関与への影響
親権者や監護者に争いがある場合には,補助をしてくれる親や親族はいたほうが監護の体制が整っているといいやすくなるように思いますが,あくまでも補助であるという点は重要です。比較の対象は父母(夫婦)であって,どちらの元で子育てをした方が子どものためになるのかという話居なります。
近くに親が住んでいる・同居している場合には援助を受けやすくなりますが,問題はどのような内容の援助を受けるのかという話になります。援助が実際は子育ての大半を任せる場合には補助とは言いにくくなりますが,ここは勤務時間や子どもの年齢等を踏まえてのものと思われます。年齢が大きければ当然そこまで手がかからなくなりますが,幼いほどそうはならなくなります。幼い場合に,保育園などの送迎を含めて親に対応してもらう・勤務時間が長く残業等が多い場合には,実際には補助とは言えないレベルになりかねません。父母(夫婦)双方を比べた場合には,勤務時間その他から見た生活スタイルから見て監護が十分にできないとの判断につながる可能性があります。
そのため,親がいるから大丈夫というわけでもありません。また,相手方が実際には親に子育てを丸投げするのではないかという危惧がある場合も,相手方がそれなりのかかわりや勤務時間のコントロールをするなどの話が出ている場合には特に,具体的になぜそう言えるのかを示す必要があります。根拠となる事実などはもちろん可能であれば裏付けも必要になってきます。