よくある相談

財産開示の実施決定という書類が裁判所から来た場合の対応はどうすればいいでしょうか?

裁判所から来た書類の意味とは?

 婚姻費用・養育費や慰謝料などの支払いをしない場合に,裁判所から財産目録を提出し,裁判所での聞き取りの日程に出頭するよう書類が来ることがありえます。これは財産開示の手続きというもので,これ自体が財産の差押えや強制回収というわけではありません。ただ,支払い義務を負う方からの財産などの情報の開示をさせるための手続きになります。財産開示の制度の意味と数年前改正されたという話は別のコラムでも触れています。

 書類の提出期限と裁判所に出頭することを求められます。正当な理由があれば(病気その他やむを得ない理由での出頭できない場合)出頭しないということもありえますが,実際にはハードルが高く無視をしておいても大丈夫とはいかない場合があることには注意が必要です。裁判所に出頭しないことですのまますぐに何かしらペナルテイがあるというわけではありませんが(警察への処罰を求める話は必要),可能性が出てしまう状況となる点は注意が必要です。

 財産開示の手続き自体が差押えのための資料提出を求められるという手続きになりますので,提出する書類やそれを基に裁判所で行う聞き取り(支払いを求める側からの財産状況などの確認)がなされる形になります。どのようなことを聞くかは支払いを求める側の判断になりますが,弁護士が代理人となっている場合には離婚の場合には離婚までの収入や財産の資料を基に聞き取りなどがなされることが想定されます。うそを言った場合には罰則(刑罰の可能性)があることは裁判所から送られてくる書類や裁判所での期日に話があるところですので,嘘を言うこと自体がリスクがあることも注意が必要です。

 ちなみに,開示した内容によっては,支払いその他について話し合いで解決に至る場合もありえます。支払い能力がない場合に無理に支払うことができる・財産があるという事実に反する,無理がある話をする必要はありません。話し合い解決を求める場合には,財産内容を開示しそのうえでの解決案を示す必要はあります。事実,支払いの原資が全くない場合にはその後指塩和えなどは行うのは実際上無理になります。

仮に対応しない場合の問題点・刑事事件の可能性

 対応しないことや嘘の書類を出してしまうことは,前者は裁判所に出頭しない等事実・後者は実際が異なっていることが判明した場合に面倒ことになる可能性が出てきます。その後支払いを求める側が警察等に処罰を求める話をした場合に,特に出頭しない場合には違反がわかりやすく判明するので,取り調べ等の刑事事件になる可能性が出てきます。

 ここで対応ということになっても,そもそもの支払い問題の解決を図るのが一番という意味もあるので,状況(相手と話ができるのか・支払いのめどが何かしらあるのか)を整理しておく必要があります。この段階で弁護士に相談をする際に,前提として出頭しないなど既にマイナスがあることがわかりやすい場合には,相当程度不利な状況で解決策を練ることが必要である点は頭の片隅に置いておいた方がいいでしょう。

 そもそも,裁判所から出頭を求める書類と書類提出を求められた時点でも,回答しないことや不出頭の問題の可能性も意識したうえでの対応を考えておいた方がいいかと思われます。

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