よくある相談

離婚時に養育費の支払いを大学卒業までと求められた場合に応じるべきなのでしょうか?

養育費の支払い終わりの時期がいつまでなのかの確認は重要です

 離婚の際に養育費の取り決めをする場合(法改正により設けられた法定養育費については,終わりの時期も法令で決まっています。改正法の施行は令和8年の予定です)には,支払終わりの時期も決めることが多いと思います。支払いを受ける側からすると,「大学進学の場合には卒業の月まで」とか,「大学を卒業する月まで」などという内容を提示されることがあります。前者の場合は,大学進学をしたときは支払終了までとなる(進学を示す必要があります)のに対し,後者の場合は大学卒業まで(22歳の後最初の3月までのことが多いですが,必ずしもこの内容とは限りません)が原則で,進学をしないなどの事情があった場合に期間を短くするということで変更を求めることになります。

 大学卒業といっても,最近は少なくなったとはいえ,浪人や留年の可能性もあるので,いつまでなのかをより特定しておく方がいいでしょう。先ほどの具体例は浪人や留年がないことを想定して卒業をするはずの時期までの支払いとなります。ここに浪人と留年を想定した期間を入れることも可能です。

 これに対し,20歳まで(ケースによっては高校卒業まで)という場合には,そうでないと難しいという回答もありえます。離婚調停が長くなることでの負担がどうなるのか・仮に裁判その他で裁判所の判断が出た場合に,どういう判断が出そうか(別居や離婚時の子どもの年齢その他の事情によります)を踏まえて考えるのが良いでしょう。

 いずれにしても,お子様の今後や関係性,相手への信頼や裁判所での手続きの見通しなどを踏まえて考えておく必要があります。

20歳までと決めた場合の延長請求の可能性は?

 それでは,20歳までと決めた場合に,事後大学卒業までという延長変更の要望が出ないかといえば,出ること自体はありえます。大学進学がまだわからない時期に離婚をして養育費の取り決めをした後,子どもが大学進学を決めた場合には,事情変更となる可能性があります。

 大学進学をした段階では,就職はしておらず自活できないことで未成熟子となることが多いため,養育費の請求自体が可能な場合もありえます。また,授業料その他がかかる場合には,標準算定方式で考慮されている教育費の金額を超えるために,学費の負担に関する話が出てくることもありえます。実際にどうなるのかはケースごとの事情によりますが,離婚時に取り決めをしていない事情についても,後に変更の話が出た場合には,こうした学費などのことも含めて出てくることはありえます。
 離婚時に大学進学時の話まで養育費の取り決めをする場合には,今後の話し合いがしづらいなどの理由で,今後の追加請求が考えにくいケースもありえます。もちろん,全てがそうとは言えませんが,見通しなども踏まえて離婚時の対応を決める必要は出てくるでしょう。

 これに対して,大学卒業までの養育費支払いを前提にした場合で,進学をしていないケースや諸般の事情で収入が無くなった場合には,減額変更を申し入れることになります。収入が減る場合には,相手側の収入状況や稼働できるのに収入を減らす場合には当たらない等の事情が必要になることがあります。

 後の変更がありうるのかどうかその見通しも考えておく必要があります。

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