よくある相談

令和6年における民法改正で離婚時の親権はどうなるのでしょうか?その②

共同親権となるとは限りません

 別のコラム(特に同じタイトルのその①)で詳しく記載していますが,離婚時に共同親権となる場合がある制度が今年スタートする予定です。あくまでも,離婚時に合意があれば共同親権となる場合がある・合意がない場合には,裁判所が介在して単独親権なのか・共同親権なのか・親権者は誰なのか,を3択の形で判断することになります。
 
 現状,法令の規定では,考慮要素と必ず単独親権となる場合が列挙される形で改正がされており,必ず単独親権となる場合以外で,どういった場合に単独親権となるか・共同親権となるかははっきりしていません。特別の事情なく,子供の居所を決める・親子交流をさせない,等の事情があれば,親権者の決定や変更に関し,考慮事情になることがある(必ずではない)など,様々な事情が考慮される可能性があります。現在は,一定の文献にある,子どもの年齢ごとのニーズに対して(その重みづけは身体の安全面以外は年齢によって異なります)どちらの親がより適切に対応しているかどうかが,監護権や親権の問題では考慮される傾向があるように思われます。この話と,これまで主にどちらが監護を担当してきたか(事実面で争いになる可能性あり)・現状の監護に問題があるかどうかがどう考慮されるのかは明らかではない面もあります。
 ただ,養育への協力の程度が少ない場合には,夫婦間で合意がない場合に親権者となるかどうかで考慮される可能性はあります。親権者変更の場合を含め,親としての責務をどれだけ果たしてきたのかは重要な要素になる可能性があります。

 離婚調停などになる場合には,夫婦の間の価値観等の対立が大きい場合もありえますが,現状合意がない場合でも調停などで一定程度感情面の対立が収まる場合には,共同親権となりうるという見解もあるところです。あまりにも対立が大きく協力が見込めない場合(親同士で互いの悪口や嫌がらせ行為をする場合など)にはたしかに,共同親権は難しくなるようには思われますが,事情等によりケースごとに異なってくるのではないかと思われます。

 DV等のおそれがある場合に共同親権にはならない場合の考慮要素として挙げられています。現状,あくまでも「おそれ」なので,どこまで具体的に存在していると考えるのかという面があります。実際には存在しないDVではないかが問題になることもありえますが,厳密に立証責任をDVを主張する側に負担させる制度ではないので,大きく問題となることもありえます。以前一度躾などの目的で手を出した・夫婦げんかで手を出したことも,こうした「おそれ」につながる可能性はありえますので,仮に親権を主張する場合には,反論などをきちんと行う必要が出てくるように思われます。

 この記事を書いている時点で今後どうなるのかはよくわからない面がありますが,必ずしも離婚後共同親権となるわけではない点には注意が必要です。

親権に関する改正内容(その他)

 離婚の前後を問わず(離婚後共同親権となる場合を含む),親権の共同行使の場面ではお互いに意向があわない・合わせようがない面はありえます。この場合に,日常生活の簡単な話や緊急時は単独で親権者としての決定ができますが,それ以外にだれが行使をすることができるのか・そもそも特定の事柄については一方が決定を行うよう裁判所に決めてもらうという制度が創設されます。

 離婚時に共同親権となる場合に,主たる監護者を決めてもらうという場合もありえますが,特定事項(住むところの決定権など)を一方の親権者が決定できるよう裁判所に定めてもらうということもありえます。対立が生じても問題がないようにという意味合いが大きいように思われます。監護権者となっている側・決定権を持っている側の権利行使を妨げられない(優先する)形になりますので,それで構わないのかはよく考えておく必要があります。

 親権の行使自体を含め,法改正により,子どもの利益を第一に考える方向性が出ています。必ずしも共同親権になるかどうかという話だけでなく,共同親権となる場合でも,親権の行使をどうするかのバリエーションの問題もあり,どうすることが今後にとっていいかを考えていく必要があります。

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