よくある相談

令和8年5月より民事裁判がデジタル化されますが、離婚裁判などはどうなるでしょうか?

離婚など家事に関する裁判は令和10年6月までにデジタル化されます

 民事裁判については、令和8年5月21日以後に弁護士に依頼をして申立をする案件について、裁判所のシステムを使って申立をしなければならなくなる、オンライン提出が始まります。
 
 これまでは、
・裁判を起こすのに訴状を紙媒体で持参・郵送などにより裁判所に提出して手続きが開始
・主張や反論・立証をするのに準備書面や証拠類のコピーを紙媒体で裁判所と相手方当事者に提出・送付の必要
・裁判所も提出された紙媒体の書面を記録として保存管理する必要
・裁判での手続きも原則として裁判所に出廷する必要
と、裁判は基本紙媒体での対応・手続は裁判所に出向くのが前提となっていました。

 ただ、このうち、裁判への参加については、令和2年から、WEB会議による争点について整理する手続を行えるというところから始まり、ちょうどこの頃発生しましたコロナ禍もあって、WEB会議による方式が広く取り入れられるようになりました。
 また、書類提出にあたっても「mints」というデータをアップロードして提出する仕組みも取り入れられましたが、こちらについてはすでに申立をされている裁判で、双方弁護士が就いた場合に利用されるというもので、今回のように申立の時点からデジタルによるというところまでには至っていないものでした。

 民事訴訟手続のデジタル化については、最終的に以下の「3つのe」の実現を目指すものです。
 ➀主張・証拠の提出をオンライン提出に一本化・訴訟記録を電子記録に一本化 「e提出」
 ➁主張・証拠への都度オンラインアクセスや期日の進捗状況をオンラインで管理 「e事件管理」
 ➂web会議やテレビ会議の導入・拡大/争点整理にあたりデジタルツールの活用 「e法廷」

 この民事裁判のデジタル化ですが、今回令和8年5月21日から申立段階より対応しないといけないのは、民事・行政に関する裁判(これは不服申立をする場合も含みます)、督促に関するもの、少額裁判に関するものなども含まれるとされています。

 他方で、このホームページで取り上げています、いわゆる御夫婦に関する裁判の手続、具体的には朝廷事件や家事事件に関するものは令和10年6月以降に全面的にデジタル化されるとなっていますが、まだ具体的な開始日までは決まっていません。

 

現時点でデジタル化されている範囲は?

それでは、現時点でいわゆる御夫婦に関する問題を扱う家庭裁判所でデジタル化されているのはどこまでかといいますと、
・web調停
・調停不成立後の審判事件
・離婚裁判など人事に関する裁判で問題点を整理する手続でのWEB活用
・親権に関する調査などを行う場合のWEBによる調査
と広く活用されています。

 特にWEB調停については、これまで申立をした場合、相手方が遠方ですとわざわざそこの管轄裁判所まで出向く必要があり、時間や費用面で申立を断念するというケースがあったと思います。

 しかし、現在では裁判所に出向かなくてもWEBにより手続に参加できる(代理人を依頼していれば代理人の事務所、依頼していない場合でもパソコンを利用できる環境であればWEBによる参加ができます)ようになり、裁判所に出向く負担が減少し、時間の有効活用を図れるようになった、交通費などの負担がなくなったなどの利点があげられます。
 
 このように、裁判所まで出向く負担の軽減により、パニック障害などがある場合でも自宅から参加できる・DV事案の場合、裁判所に出向くと相手方に出会う可能性がある場合でも、自宅や代理人事務所から参加できる安心感がある、という感想も見られるようです。
 また、電話による場合よりもWEBでは表情やしぐさが分かる安心感があり、参加する側・調停委員側いずれもWEBによるメリットがあるといえます。

 もっとも情報に限りがありますので難しい事案や調停委員に限り開示したい資料がある場合などはオンラインでは不向きといえます。また裁判所によってはオンラインでの手続きに不慣れなことがあり音声が聞こえない、小さいなどといったこともあります。

 いずれにしても一長一短なところは少しあるものの、利用される方にとっては選択肢が広がったといえるところですので、利用される方の実情にあわせてうまく利用されるとよいかと思います。

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